11   安息日の沈黙 (イースター特別礼拝 2005.03.26)
イースター特別礼拝 「安息日の沈黙」
マルコ 15:42-16:7
 
今週の聖書箇所は、イエスさまが十字架で死なれてから復活までの出来事が書いてあります。
ゴスペルハウスの礼拝は毎週土曜日です。
今日、土曜日は、イエスさまが十字架にかかられた日と、復活された日のちょうど中間に当たります。
まさに、この聖書箇所は、今日を中心とする前後3日間についての記述なのです。
 
イエスさまの埋葬にあたっては、アリマタヤのヨセフという人物が中心となって進められます。
彼はユダヤの最高議会の議員で、イエスさまへの迫害の議決に賛成せず、ひそかにイエスさまに望みをかけていた人物です。
立場上、大っぴらにイエスさまを支持できなかったのですが、イエスさまが亡くなったということで、居ても立ってもいられなくなったのでしょう。
総督ピラトに死体の引渡しを要求し、埋葬を進めていきます。
 
この埋葬は、あわただしい埋葬でした。
イエスさまが亡くなったのは、金曜日の午後3時です。
そして、その3時間後の午後6時からは安息日が始まります。
安息日には、もちろん葬儀をしてはいけません。
なので、その間に引渡しの許可を取り、埋葬し終わらなければならないのです。
そして、ニコデモや女性たちの協力もあって埋葬は無事に済みました。
 
その後、15章47節と16章1節の間は安息日です。
聖書には、この安息日の弟子たちについて、何も記述がありません。
また、イエスさまについての記述も全くありません。
聖書はこの日のことについて全くの沈黙をしているのです。
しかし、弟子たちのことは予想がつきます。
彼らは、落ち込んでいました。
失望していました。
希望を失っていました。
落胆していました。
イエスさまの埋葬すらアリマタヤのヨセフに進めてもらうほどに、何もできずにいたのでした。
 
彼らはイエスさまの言葉を思い出していたことでしょう。
「わたしが世にいる間、わたしは世の光です。」(ヨハネ9:5)
そのイエスさまは、もう世にいないのです。
彼らの光は、失われてしまったのです。
 
闇が世界を覆っています。
光を失った世を、闇が支配しています。
この日についての聖書の記述は、そのことを象徴するようです。
聖書に、弟子たちやイエスさまについての記述はないのですが、パリサイ人や律法学者のことは書いてあるのです。
彼らは、ピラトのもとへ行き、墓に番兵をつけるように要求します。
そして、墓に番兵をつけます。
これは安息日の出来事ですから、これまで執拗に守ってきた律法を、自分たちの都合で無視しているのです。
まさに、闇の力がやりたい放題です。
 
私たちは、闇を失望と考えます。
しかし、闇は失望ではありません。
聖書の冒頭、創世記の第1章の1節〜3節を読んでみましょう。
初めに、神が天と地を創造した。地は形がなく、何もなかった。やみが大いなる水の上にあり、神の霊は水の上を動いていた。そのとき、神が「光よ。あれ。」と仰せられた。すると光ができた。
 
ここにも闇があります。
しかし、この闇は失望の闇ではありません。
これから始まる神様の創造への大きな祝福と大きな希望が、この闇に凝縮しているのです。
そして、希望あふれる光が創造され、続いて祝福あふれる世界が創造されたのです。
まさに、高橋是清が言ったように「一寸先は光」です。
闇は失望ではなく、神様の大いなる計画の時なのです。
それは祝福と希望の計画です。
 
そしてその通りに、世の光であるイエスさまは闇を打ち破ってよみがえられました。
創世記に書いてあるはじめの創造が完了したとき、神様は「それは非常に良かった」 (創世記1:31)とされました。
そこは、罪に堕ちる前の人間と神様が愛の交わりをするための最高の場所でした。
イエスさまの復活によって、新しい世界がはじまりました。
それは、十字架によって罪赦された人間が、神様と愛の交わりをするための場所です。
もう二度と罪に定められることのない世界です。
もし神様がこれを評価するなら「非常に、非常に、非常にすばらしい」ではないでしょうか。
 
聖書の中の多くの人物も闇と思われるような人生の時期を過ごしています。
ヤコブ、モーセ、ダビデ、などなど、数え上げればきりがありません。
しかし、彼らにとってその闇は、祝福への準備期間でした。
私たちの人生においても同じです。闇は続きません。
そして、その中に神様の大いなる祝福と大いなる希望があります。
イエスさまの復活のいのちと復活の人生が私たちに与えられるのです。
決定的な事実があります。
暗闇は、光には絶対に勝てないのです。
イエスさまの復活によって、もう闇は私たちを失望に落とすことはできません。
 
闇があなたを覆っても、あなたは失望しなくていいのです。
その闇と沈黙の中に、神様の祝福が準備されています。
静まって、期待しましょう。
復活の勝利の光は、あなたの目の前で、今、輝こうとしています。
 
あなたのためにお祈りしています。



| 前週へ | 年間目次 | 次週へ |


ホーム 集会案内 伝道師紹介 Message 2008 御言葉の旅 歴史(年表) リンク集 Message 2007 Message 2006 Message 2005
Message 2004


gospelhouse@church.ne.jpメールはこちらまで。