23   地の塩のたとえ (たとえ17 205.06.18)
シリーズ イエスさまのたとえばなし 17
『地の塩のたとえ』 マタイ 5:13
 
今週の聖書箇所は、地の塩のたとえです。
これは、イエスさまの山上の説教(マタイ5章〜7章)の中にあり、有名な「・・・な者は幸いである。・・・」というメッセージの直後に語られたたとえです。
 
私がはじめてこの言葉を聴いたのは、まだクリスチャンになるずっと前のことです。
大手学習塾で、私立中学受験の指導をしていた頃、あるミッション系の女学校の校訓が「地の塩、世の光」だったのです。
当時は、何のことかわからずに、勤勉であることとか、正直であることなのかなぁぐらいの意識しかありませんでした。
当然、聖書の言葉であることも知りませんでした。
 
ここでイエスさまは、「地の塩になりなさい」と、勧めてはいません。
「あなたがたは地の塩です。」と、断定しているのです。
なので、この箇所は私たちに何かの努力を要求しているのではないことがわかります。
 
私たちが塩であることをイエスさまが宣言したのです。
 
では、塩とはどんなものなのでしょうか。当時の塩の指し示す事柄について考えていきたいと思います。
 
塩は、第1に「純潔」です。
日本でもきよめのために塩を用いますが、その白く透明感ある結晶は、当時の純潔の象徴でありました。
 
第2に塩は「防腐剤」でした。
当時は冷蔵庫も合成保存料もありませんでしたから、塩が肉や魚を腐敗から守る役割をしていたのです。
それは、死に行くいのちを守るものでした。
死んでしまったものに新たにいのちを与えるという言い方もできるでしょう。
塩はいのちの象徴であったのです。
 
第3に塩は「味付け」をします。
塩味のない食事は、文字通り味気ないものです。塩は味の象徴であったのです。
 
イエスさまは、そういった意味を含めた上で、私たちを「地の塩」といったのです。
しかし、私たちに誇るべき「純潔」がありましょうか?
他の人に与えるべき「いのち」がありましょうか?
すばらしい「味」も、どうでしょう?
私自身を振り返ってみると、地の塩としての資質はないように感じます。
皆さんはどうですか? 自分自身の中に、地の塩としての資質を見つけ出すことができますか?
私たちは、自分自身にこの資質を見つけ出そうとするときに、ただただ自分の至らなさを感じるのではないでしょうか。
 
しかし、イエスさまの言葉は神様の言葉、つまり、創造の言葉です。
そして、完全な約束の言葉でもあります。
イエスさまの十字架の血潮によって、私たちは神様の前に「完全な純潔」「完全な聖さ」を得ました。
イエスさまが十字架の死から3日後によみがえったことにより、私たちは「永遠のいのち」を得ました。
そして、値なしに得たこのいのちを、他の人たちに証しすることができるのです。
イエスさまが送ってくださった、もうひとりの助け主、聖霊様は、私たちとともに住まわれます。
そして、私たちに神様の味、愛の味、喜びの味を与えてくださいました。
 
イエスさまは、いのちがけで、私たちを地の塩にしてくださったのです。
そして、その完全な約束は、十字架での死と復活、聖霊様の降臨で成就しているのです。
 
イエスさまは続けます。
もし塩が塩けをなくしたら、何によって塩けをつけるのでしょう。
私たちを味付けしたのはイエスさまです。ですから、塩けはイエス・キリストです。イエスさまの十字架です。
イエスさまの復活です。聖霊様です。
 
ですから、もし塩が塩けをなくしたらとは、こういうことです。
もしキリスト者がイエス・キリストを失ったなら、何によってキリスト者と呼べるのでしょう。
もし、キリスト教会が、その中心に十字架を失ったなら、何によってキリスト教会と呼べるのでしょう。
そうしたら、そこには「純潔」も「いのち」も「味」もありません。
 
イエスさまは訴えているのです。
十字架を放してはなりません。
復活を放してはなりません。
聖霊様を締め出してはいけません。
イエス・キリストの愛から離れてはいけません。
 
十字架を握り締め、復活を握り締め、聖霊様を心の中にお迎えし、地の塩として生きてまいりましょう。
 
十字架の血潮により、あなたは完全に聖い者です。
イエスキリストの復活により、あなたは永遠のいのちを持ちました。
聖霊様により、あなたは愛の味を持ちました。
そうです、あなたは地の塩なのです。
 
あなたのためにお祈りしています。



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