シリーズ「メッセンジャーはイエスさま」05
『弟子たちの質問』ヨハネ14:1-14
先週は、ヨハネの第13章を読みましたが、今週はその次の第14章です。
イエスさまが弟子(ユダ)の裏切りや、イエスさまが弟子の前からいなくなること(十字架での死の予告)、さらに、ペテロがイエスさまを拒絶することまでを予告したので、弟子たちに動揺が広がっています。
その中で、今週のイエスさまのメッセージが語られます。
イエスさまは、「あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。」(1節)と語り始めます。
弟子たちへの励ましと慰めを持ったメッセージの始まりです。
イエスさまは父なる神様のところ、つまり、天国(神様の国)へ住まいを備えに行くと予告します。(2節)
ここが、今週の聖書箇所を解き明かす鍵になります。
今から約2000年前、イエスさまが地上に来られたとき、つまり、ベツレヘムで誕生したとき、私たち人間はイエスさまのために場所を用意することができませんでした。
イエスさまは、宿屋の部屋が満員のために、家畜小屋で産声を上げたのです。
ただ一人さえ、イエスさまの誕生のために部屋をあげることがなかったのです。
誰にも部屋を備えてもらえなかったイエスさまが、天国ですべての人のために場所を備えに行くのです。
これが福音です。
不完全な私たちのために、完全なるイエスさまの愛が与えられるのです。
落ち度だらけの私たちに、神様の全く完璧な施しがなされるのです。
不完全な私たち人間、完全なるイエスさま・神様。
この原則を踏まえたうえで、この聖書箇所を読むと、神様の愛がはっきりと感じることができます。
この聖書箇所のみならず、聖書すべてが愛にあふれていると確信できるでしょう。
トマスはイエスさまに質問しました。(5節)
「主よ。どこへいらっしゃるのか、私たちにはわかりません。どうして、その道が私たちにわかりましょう。」
4節でイエスさまは、「わたしの行く道はあなたがたも知っています。」と言っています。
そのうえで、「わかりません」と質問するのは、勇気がいったことでしょう。
しかし、イエスさまと行動をともにした十二弟子の一人の質問としては、いささかお粗末な感じもします。
このお粗末な、不完全な弟子に対して、イエスさまは完全なる愛でお答えになります。
大いなる真理をはっきりと言明されるのです。
「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。」(6節)
不完全な質問から、大いなる真理を導くのがイエスさまのです。
そして、イエスさまの「あなたがたは・・・すでに父を見たのです」(7節)という言葉に、ピリポが発言します。
「主よ。私たちに父を見せてください。そうすれば満足します。」(8節)
どうにもかみ合っていない会話です。
このピリポも十二弟子の一人です。
しかし、この不完全な、ちぐはぐな問答にも、イエスさまは愛をもって答えています。
「ピリポ。こんなに長い間あなたがたといっしょにいるのに、あなたはわたしを知らなかったのですか。」
この言葉を言ったときのイエスさまの表情を想像してください。
今までは、ちょっと怒ったような、むっとしたような、困ったような表情を想像していませんでしたか?
でも、「不完全な私たちにイエスさまの完全な愛」の原則を通して見るならば、イエスさまの微笑みが感じられますね。
13節、14節を読んでみましょう。
イエスさまの名によって求めるなら、つまり、イエスさまの名によって祈るのなら、私たちは何でも出来ると書いてあるような気がしますね。
しかし、そうではありません。
イエスさまは、「わたしはそれをしましょう。」(14節)と言っているのです。
不完全な私たちがすることをイエスさまは要求するのではなく、完全なイエスさまが「する」と言っているのです。
では、私たちは何もしなくていいのでしょうか?
いえ、そうではありません。
私たちにもしなくてはならないことがあります。
それは、「自分自身の不完全さを認め、それを受け入れること」です。
不完全な自分を赦し、愛するということです。
そのうえで、「完全なイエスさまを歓迎すること」です。
礼拝の時や、賛美をしている時、また、苦しくて祈っている時だけではありません。
普段の生活にイエスさまをお迎えすることです。
そうすれば、イエスさまの完全があなたの生活にあらわれます。
自分自身の不完全を認めることで、完全があなたにあらわれるのです。
不完全な自分を愛し、イエスさまを歓迎しましょう。
イエスさまは、あなたに完全な理解を求めてはいません。
完全な知識や、完全な行動も求めていません。
あなたに必要なのは、不完全な自分を赦すことです。
不完全な自分を愛することです。
その時、イエスさまの完全があなたの上にあらわれます。
イエスさまの栄光とともに生きていきましょう。
あなたのためにお祈りしています。
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