ひとりとして逃げなかった囚人たち
1.パウロたちはフィリピで投獄された時賛美と祈りをしていた
パウロはフィリピで伝道していた時に、投獄されてしまいます。
この命令を受けた看守は、二人をいちばん奥の牢に入れて、
足には木の足枷をはめておいた。
使徒言行録 16章24節
しかしこの時パウロたちは、賛美を歌い神に祈りを捧げていました。
真夜中ごろ、パウロとシラスが賛美の歌をうたって神に祈っていると、
ほかの囚人たちはこれに聞き入っていた。
使徒言行録 16章25節
囚人たちが聞き入るほどの、賛美と祈りだったと言います。
2.地震が起きて鎖が外れても囚人たちは誰一人逃げなかった
そこで神の御業が起こったのです。
地震が起きました。
突然、大地震が起こり、牢の土台が揺れ動いた。
たちまち牢の戸がみな開き、すべての囚人の鎖も外れてしまった。
使徒言行録 16章26節
地震によって、すべての囚人の鎖が外れました。
けれども不思議なことに、囚人たちは逃げなかったのです。
誰一人逃亡者がいませんでした。
3.牢獄は一刻も早く出たい劣悪な環境だったはず
当時の牢獄が、どのような環境だったか聖書には具体的には記されていません。
しかし鎖につながれた閉鎖空間だったわけですから、劣悪だったのではないでしょうか?
逃亡を防ぐため窓などはなかったでしょうし、柔らかな寝床もなかったでしょう。
着替えることもできず、身体も洗えず体臭が漂い
糞尿の臭いも、凄かったのではないでしょうか?
「一刻も早くこんなところから出たい」というのが囚人たちの願いだったはずです。
看守は、牢の戸が開いていたので当然
囚人たちが、逃げてしまったと思いました。
それが普通だったわけです。牢の戸が開いて逃げないはずがなかったのです。
目を覚ました看守は、牢の戸が開いているのを見て、
囚人たちが逃げてしまったと思い込み、剣を抜いて自殺しようとした。
使徒言行録 16章27節
むすび.囚人たちが逃げない程の神の御業が起きていた
ところが、鎖が外れ牢の戸が開いていたにもかかわらず
ひとりも逃げていなかった、というのはどういう状況だったのでしょうか?
なぜ囚人たちは逃げなかったのでしょうか?
そこに、神の濃厚な臨在があったのではないでしょうか?
あるいは、賛美と祈りの中で起きた大地震の中で
囚人たちの中に、パウロの信じている神に対する恐れが湧き上がっていたのかもしれません。
いずれにしても、通常逃げたくてたまらないはずの囚人が
ひとりも逃げていなかったのです。
そこに凄いことが起きていたのは、確かです。
神の御業は、囚人たちの心をそこまで変化させてしまったのです。
【今日の聖書】
パウロは大声で叫んだ。
「自害してはいけない。わたしたちは皆ここにいる。」
使徒言行録 16章28節