佐世保バイブルスタディ    SASEBO BIBLE STUDY

バイブルスタディ

 2012年2月26日

 聖書箇所 

  箴言3:5-6、ヨブ記全体

 タイトル

   「心を尽くして主により頼む」

 アウトライン

  イントロダクション
  1.ヨブに関する神様とサタンのやりとり
  2.ヨブに襲い掛かる災い
  3.ヨブの嘆き
  4.苦しみの原因についてヨブの友人との議論 
  5.神様の質問 
  6.ヨブの答え
  7.心を尽くす
  8.自分の悟りに頼らず、どこにおいても神を認める 
  祈り
 

箴言3:5-6、ヨブ記全体
「心を尽くして主により頼む」 

    



イントロダクション(箴言3:5,6)

箴言3:5,6

心を尽くして主に拠り頼め。自分の悟りにたよるな。

あなたの行く所どこにおいても、主を認めよ。そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。

 

今日は、この箇所をある人物の生涯を通して学びたいと思います。

その人物の名前はヨブです。聖書にはヨブ記という彼の生涯を記録した書物があります。まずヨブ記の第1章を開いてください。そして最初の3節を読んでみましょう。

 

ヨブ1:1-3

ウ ツの地にヨブという名の人がいた。この人は潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっていた。彼には七人の息子と三人の娘が生まれた。彼は羊七千頭、らくだ 三千頭、牛五百くびき、雌ろば五百頭、それに非常に多くのしもべを持っていた。それでこの人は東の人々の中で一番の富豪であった。

 

ヨ ブは潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっている人でした。彼は東の人々の中で一番の富豪でした。これからヨブ記に記されている範囲でヨブの生涯を見て いきますが、まず彼の生涯の結末を見てみましょう。ヨブ記の最後42章を開いてください。そして最後の6節となる12節から17節を読んでみましょう。

 

ヨブ42:12-17

主 はヨブの前の半生よりあとの半生をもっと祝福された。それで彼は羊一万四千頭、らくだ六千頭、牛一千くびき、雌ろば一千頭を持つことになった。また、息子 七人、娘三人を持った。彼はその第一の娘をエミマ、第二の娘をケツィア、第三の娘をケレン・ハプクと名づけた。ヨブの娘たちほど美しい女はこの国のどこに もいなかった。彼らの父は、彼女たちにも、その兄弟たちの間に相続地を与えた。この後ヨブは百四十年生き、自分の子と、その子の子たちを四代目まで見た。 こうしてヨブは老年を迎え、長寿を全うして死んだ。

 

神 様はヨブの前の半生よりも、後の半生をさらに祝福されました。1章では羊7千頭でしたが、42章では1万4千頭になっています。その他の家畜も倍に増え、 さらに10人の子どもたちまで新たに与えられました。いったいヨブの生涯には何があったのでしょうか?なぜ神様は彼の後半生をさらに祝福されたのでしょう か?いっしょにヨブの生涯を見て考えていきたいと思います。

 

まずヨブの生涯を簡単に整理してみましょう。

1. ヨブに関する神様とサタンのやりとり

最 初に読んだように、ヨブは神を恐れ、正しい生活をしている大富豪の人でした。神様はヨブを愛し、誇りに思っていました。ところが、ある日、サタンが神様の もとに来て、「ヨブが正しいのは、神様が彼の持ち物を祝福し守っているからだ。それが失われたら、ヨブは神様をのろうに違いない。」と主張しました。そこ で神様はサタンにこう言いました。

1:12

主はサタンに仰せられた。「では、彼のすべての持ち物をおまえの手に任せよう。ただ彼の身に手を伸ばしてはならない。」そこで、サタンは主の前から出て行った。

 

2.ヨブに襲い掛かるわざわい

そ れから恐ろしいわざわいが次々とヨブを襲います。ヨブが所有していた家畜やしもべ、子どもたちがみんな自然災害や強盗に襲われ殺されてしまいます。さらに ヨブの身体は病気にかかり、体中にひどいできものができます。ヨブは土器のかけらで身体をかきむしり、友人たちはもうヨブだとわからないほどになってしま いました。そしてヨブの妻は彼にこう言いました。

2:9

すると彼の妻が彼に言った。「それでもなお、あなたは自分の誠実を堅く保つのですか。神をのろって死になさい。」

ところがヨブはこう答えました。

2:10

しかし、彼は彼女に言った。「あなたは愚かな女が言うようなことを言っている。私たちは幸いを神から受けるのだから、わざわいをも受けなければならないではないか。」

 

これは信仰の告白です。神様への信頼のことばです。しかし、彼の内側にはやはり痛みがあり、悲しみがあり、苦しみがありました。ある日、友人たちが彼を慰めるために来るとその苦しみが噴き出てきます。

 

3.ヨブの嘆き

それが3章の内容です。3章の最初の3節と最後の3節を呼んでみましょう。

3:1-3

その後、ヨブは口を開いて自分の生まれた日をのろった。ヨブは声を出して言った。私の生まれた日は滅びうせよ。「男の子が胎に宿った。」と言ったその夜も。

3:24-26

実に、私には食物の代わりに嘆きが来て、私のうめき声は水のようにあふれ出る。私の最も恐れたものが、私を襲い、私のおびえたものが、私の身にふりかかったからだ。私には安らぎもなく、休みもなく、いこいもなく、心はかき乱されている。

 

ヨ ブは子どもたちを失い、大切な家族や家畜を失い、本当に辛かったと思います。立派な信仰告白をしましたが、彼の内側には痛みと悲しみ、苦しみが渦巻いてい ました。彼の友人たちもなかなか声をかけることができませんでした。しかし、このヨブの嘆きをきっかけに友人たちはヨブの苦しみの原因について語り始めま した。

 

4.苦しみの原因についてヨブの友人との議論

それが4章から37章までの内容です。例えば友人エリファズはこう言いました。

4:17

ああ、幸いなことよ。神に責められるその人は。だから全能者の懲らしめをないがしろにしてはならない。

友人ツォファルはこう言いました。

20:5

悪者の喜びは短く、神を敬わない者の楽しみはつかのまだ。

そして友人ビルダデはこう言いました。

25:4

人はどうして神の前に正しくありえようか。女から生まれた者が、どうしてきよくありえようか。

 

つまり、「苦しみの原因」はヨブ自身の罪であると、彼らは主張しました。これに対してヨブは何度も自分には罪がないことを主張します。例えば、

6:24

私に教えよ。そうすれば、私は黙ろう。私がどんなあやまちを犯したか、私に悟らせよ。

31:33

あるいは、私がアダムのように、自分のそむきの罪をおおい隠し、自分の咎を胸の中に秘めたことがあろうか。

 

彼らは延々とこのように議論を続け、最終的にはみんなが沈黙してしまいました。そこで神様がヨブに語りはじめます。

 

5.神様の質問

それが38章からの内容です。まず38章の最初の4節を読んでみましょう。

38:1-4

主 はあらしの中からヨブに答えて仰せられた。知識もなく言い分を述べて、摂理を暗くするこの者はだれか。さあ、あなたは勇士のように腰に帯を締めよ。わたし はあなたに尋ねる。わたしに示せ。わたしが地の基を定めたとき、あなたはどこにいたのか。あなたに悟ることができるなら、告げてみよ。

 

神 様は次から次へとヨブに質問をします。誰が地球の大きさを決めたのか?誰が海の境界線を定めたのか?誰がライオンやカラスの食物を備えたのか?誰がめじか の出産を見守っているのか?神様は一つ一つの質問を通して、神様ご自身がどのようなお方であるのかをヨブに示しました。

 

6.ヨブの答え

そして42章にヨブの答えがあります。

42:1-6

ヨ ブは主に答えて言った。「あなたには、すべてができること、あなたは、どんな計画も成し遂げられることを、私は知りました。知識もなくて、摂理をおおい隠 す者は、だれか。まことに、私は、自分で悟りえないことを告げました。自分でも知りえない不思議を。さあ聞け。わたしが語る。わたしがあなたに尋ねる。わ たしに示せ。私はあなたのうわさを耳で聞いていました。しかし、今、この目であなたを見ました。それで私は自分をさげすみ、ちりと灰の中で悔いています。

 

3 章でヨブは自分の存在をのろいました。しかし、ここでは自分の愚かさを悔いています。信仰の告白とは裏腹に自分の存在をのろったり、自分の正しさばかり主 張したりしていた自分の愚かさを悔いています。その結果、神様はさらにヨブを祝福するようになりました。なぜでしょうか?

 

7.心を尽くす

箴言3:5,6をもう一度読んでみましょう。

心を尽くして主に拠り頼め。自分の悟りにたよるな。 あなたの行く所どこにおいても、主を認めよ。そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。

 

神様がヨブを祝福したのは、まずヨブが自分の愚かさを悔いたからです。 そして次にヨブが心を尽くして主により頼み、自分の悟りに頼らず、どこにおいても神を認めるようになったからです。ヨブは以前、「神をのろって死になさい。」(2:9)と言った自分の妻にこう言いました。「私たちは幸いを神から受けるのだから、わざわいをも受けなければならないではないか。」(2:10)これはすべてを神様にゆだねる信仰の告白です。しかし、彼の心はこの信仰告白についていけず、自分の存在をのろって、「私の生まれた日は滅び失せよ。」(3:2)と言いました。これは彼を愛し創造された神様にとって悲しいことばです。

 

同じような告白をイエス様もされました。イエス様が十字架にかかる前の晩、イエス様はもだえ苦しみながらこう祈りました。「父よ。あなたにおできにならないことはありません。どうぞ、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願うことではなく、あなたのみこころのままを、なさってください。」(マルコ14:36)神様にすべてを任せる信仰の祈りです。それからすぐにイエス様はユダに裏切られ、ローマ兵に捕えられます。しかし、イエス様は決して逃げることなく、まっすぐに十字架への道を歩みました。イエス様が心を尽くしてすべてを神様に任せていたからです。

 

ヨ ブの信仰告白はイエス様の祈りのように立派でした。すべてを神様に任せる信仰の告白でした。しかし、イエス様とヨブの違いは心でした。イエス様の心は祈り とひとつでした。そのため血の汗が出るほど祈り、神様の前に自分の心を注ぎだしました。しかし、ヨブの心はヨブの信仰告白とひとつになれませんでした。な ぜなら、それほどヨブは辛い思いをしていたからです。そしてそれ以上にヨブはイエス様ほど神様を知らなかったからです。これがイエス様とヨブの違いを生み 出したもっとも大きな理由です。しかし、そんなヨブに神様は語りかけ、一つ一つの質問を通して、ヨブにご自分を示してくださいました。それは、ヨブがイエ ス様のように、神様を心を尽くして信頼することができるようになるためです。私たちもよくわからない人やわからないものを信頼することはできません。しか し、親しくなり、深く知れば信頼することが容易になります。神様は明日何が起こるかは教えてくれません。またいつどんな病気にかかるかも教えてくれません し、宝くじの当選番号も教えてくれません。しかし、神様は神様ご自身を私たちに教えてくださいます。それは私たちが心を尽くして神様を信頼することができ るようになるためです。

 

8.自分の悟りに頼らず、どこにおいても神を認める

こ れは感動的なことですが、38章から41章に渡って、神様はヨブに語りかけます。その節は合計でなんと100節を越えます。それはすべてヨブが自分の悟り に頼らず、どこにおいても神様を認めることができるようになるためです。そして私たち一人一人がどこにおいても、どのような状況でも神様を認め、心から信 頼することができるようになるためです。

 

私たちはヨブと同じような経験をすることがあると思います。様々な状況の中で、信仰告白と心の中の状態がぜんぜん違うということがあると思います。「神様は私を愛し、私を守り、私を導いてくださる。」と祈り、告白することはできます。 しかし、心の中は不安でいっぱい、恐れでいっぱいと言うことがよくあります。そんな私たちに神様は今日語りかけてくださいます。

 

誰があなたの髪の毛の数を数えていると思いますか?

誰が一晩中、あなたが寝ている間、あなたを見守っていると思いますか?

誰があなたのためにむちで打たれたと思いますか?

 

神様は私たちに語りかけてくださいます。どうか、私たちが自分の愚かさに気づき、それを認め、悔い改めることができますように。 そして心を尽くして主により頼み、自分の悟りに頼らず、どこにおいても、どのような状況でも、私たちを愛し、私たちと共にいてくださる全能の主を認めることができますように。

祈り

お 祈りします。私たちの神である天のお父さん。私たちは自分の愚かさを悔い改めます。あなたのことを知らず、あるいは忘れ、私たちの心は不安や恐れでかき乱 されてしまいます。どうか愚かな私たちを助けてください。私たちの祈りと私たちの心がひとつになりますように。心を尽くしてあなたにより頼み、自分の悟り に頼らず、どこにおいてもあなたを認めることができますように。私たちにあなたを示してください。すべてをあなたにお任せすることができますように。すべ てを感謝して、イエス様のお名前によってお祈りします。アーメン

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