エゼキエル戦争の預言

2022年3月6日

次のような主のことばが私にあった。
「人の子よ。メシェクとトバルの大首長である、マゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言せよ。
『神である主はこう言われる。メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。今、わたしはおまえを敵とする。
わたしはおまえを引き回し、おまえのあごに鉤をかけ、おまえと、おまえの全軍勢を出陣させる。それはみな完全に武装した馬や騎兵、大盾と盾を持ち、みな剣を取る大集団だ。
ペルシアとクシュとプテも彼らとともにいて、みな盾を持ち、かぶとを着けている。
ゴメルとそのすべての軍隊、北の果てのベテ・トガルマとそのすべての軍隊、それに多くの国々の民がおまえとともにいる。
備えをせよ。おまえも、おまえのもとに召集された全集団も構えよ。おまえは彼らを統率せよ。
多くの日が過ぎて、おまえは徴集され、多くの年月の後、おまえは、一つの国に侵入する。そこは剣から立ち直り、多くの国々の民の中から、久しく廃墟であったイスラエルの山々に集められた者たちの国である。その民は国々の民の中から導き出され、みな安らかに住んでいる。
おまえは嵐のように攻め上り、おまえと、おまえの全部隊、それに、おまえにつく多くの国々の民は、地をおおう雲のようになる。
神である主はこう言う。その日には、おまえの心に様々なことが思い浮かぶ。おまえは悪巧みをめぐらして、
こう言うだろう。「私は無防備な国に攻め上ろう。安心して暮らす平穏な者たちのところに侵入しよう。彼らはみな城壁もなく住んでいる。かんぬきも門もない」と。
それは、おまえが略奪し、獲物をかすめ奪うため、また今は人の住むようになった廃墟と、国々から集められて地の中心に住み、家畜と財産を所有した民とに向かって手を伸ばすためだ。
シェバやデダンやタルシシュの商人たち、およびそのすべての若い獅子たちは、おまえに言うだろう。「おまえは分捕るために来たのか。獲物をかすめ奪うために隊を構えたのか。銀や金を運び去り、家畜や財産を取り、大いに略奪しようとするつもりか」と。』
それゆえ、人の子よ、預言してゴグに言え。『神である主はこう言われる。わたしの民イスラエルが安心して住んでいるとき、まさに、その日、おまえは知ることになる。
おまえは北の果てのおまえの国から、多くの国々の民とともに来る。彼らはみな馬に乗る者で、大集団、大軍勢だ。
おまえはわたしの民イスラエルを攻めに上り、地をおおう雲のようになる。終わりの日に、そのことは起こる。ゴグよ、わたしはおまえに、わたしの地を攻めさせる。それは、わたしがおまえを使って、国々の目の前にわたしが聖であることを示し、彼らがわたしを知るためだ。
神である主はこう言う。おまえは、わたしが昔、わたしのしもべであるイスラエルの預言者たちを通して語った、まさにその者ではないか。この預言者たちは長年にわたり、わたしがおまえに彼らを攻めさせると預言していたのだ。』
ゴグがイスラエルの地を攻めるその日──神である主のことば──わたしの憤りは激しく燃え上がる。
わたしは、ねたみをもって、激しい怒りの火をもって告げる。その日には必ずイスラエルの地に大きな地震が起こる。
海の魚、空の鳥、野の獣、地面を這うすべてのもの、地上のすべての人間は、わたしの前で震え上がり、山々はくつがえり、崖は落ち、すべての城壁は地に倒れる。
わたしは剣を呼び寄せて、わたしのすべての山々でゴグを攻めさせる──神である主のことば──。剣による同士討ちが起こる。
わたしは疫病と流血で彼に罰を下し、彼と、彼の部隊と、彼とともにいる多くの国々の民の上に豪雨、雹、火、硫黄を降らせる。
わたしは、わたしが大いなる者であること、わたしが聖であることを示し、多くの国々の見ている前でわたしを知らせる。そのとき彼らは、わたしが主であることを知る。」

エゼキエル書 38章1~23節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 今日の箇所には、終末の時代にロシアが起こす戦争について、預言という形で記されていますが、一つ一つ順を追って見ていきます。

 youtubeの動画で、子どもたちが「死にたくない」などと地下壕の中で言っている様子を見ると、私達は今のウクライナの情勢を、本当に涙なしに見ることができません。私達は幸いにして戦争を知らない時代に生きてきたので、昨日の時点で2千人のウクライナの民間人の命が取られているという悲惨な状況を見て、まさかこんなことが起きるなんてと驚かれた方も多いかと思います。しかし、聖書は、はっきりと、これから終末の時代に戦争が起こるのは避けられないと語っています。また、戦争だけでなく疫病も起こり多くの人が亡くなること、そして大地震も起こることがはっきりと預言されています。このように終末の困難な時代について、聖書で預言されていますから、それは避けられないことです。

 歴史というのは、英語でhistory、分けるとHis storyです。つまり神様の話なので、神様がこの歴史も作られています。歴史の中心がイエス・キリスト様の誕生で、紀元前と紀元後に別れますが、神様がこの歴史を作られ、神様の計画通りに物事がなっています。ですから、私達は、神様の御心はどこにあるのか、また、この世界はどうなっていくのかということについて、心に留めておくことが大切です。

 聖書は、はっきりと終末に困難な時代が来ると預言しています。この後先ほどのエゼキエル書に戻りますが、ここで一旦、イエス様が言われたことを見ていきたいと思います。

それから、イエスは彼らに言われた。「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、
大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい光景や天からの大きなしるしが現れます。

ルカの福音書 21章10~11節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 終末の時代について、イエス様は「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり」と言われました。これは戦争が起こるということです。今現実に起こっている、ロシアがウクライナを侵略するというような戦争が起こるということです。

 そして大きな地震も起こる、とイエス様は語られました。確かに今は地震が頻発しています。日本でも、南海トラフや首都圏直下型地震が近々起こると地震学者によって言われていますから、それは避けられないことです。

 また、「方々に飢饉や疫病が起こり」とイエス様は言われました。ビル・ゲイツ氏が最近、今年の後半に新しいコロナではない、別の疫病が世界中を襲うと言っています。それも、多分そうだと思います。なぜかビル・ゲイツ氏は、コロナがこのように世界中を襲う前に、世界を新しい疫病が襲うと語っていて、その通りになっています。ですから、今年の後半には新しいコロナでない疫病がこの世界を襲うということも、そうだと思います。イエス様は疫病が起こると聖書で語っておられますし、聖書の黙示録では、疫病で多くの命が取られるということも預言されていますから、そのようになっていきます。

 そして「恐ろしい光景や天からの大きなしるしが現れます」とありますから、イエス様が言われたことは全て成就します。別の聖書の箇所で「この天地は滅び去るけれども、私の言葉は決して滅びさらない」と言われたとおりです。終末の時代に、戦争、大きな地震、疫病、そして飢饉も起こります。

 これから大きな食糧危機が起こるとも言われています。ですから、デイビッド・ウィルカーソン先生が、農地を確保して自分達の食べる分の作物を何とか作るようにと、警告されているのも然りだと思います。ロシアとウクライナで世界の小麦の3分の1は作られているそうですが、今、小麦がすごく暴騰しています。今、そこからの小麦がストップしたり、大変な時代になってきています。このような世界の様相を私達は知ることができるのですから、来るべきときのために私達は備えなければなりません。

 以上述べてきたとおり、このような大変な時代が起こるのは、イエス様が預言されていることなので、私達にとってはもう避けられないことです。

 そして、もう一つ心に留めておく必要があることについてお話します。まず、聖書は預言書とも呼ばれているくらいに多くの預言が記されていて、まだ成就していないものを除いては、全て成就しています。皆さんは、なぜ、このように多くの預言が聖書に記されているのかご存じでしょうか。その答えは、旧約聖書の箴言29章18節にあります。

幻がなければ、民は好き勝手にふるまう。しかし、みおしえを守る者は幸いである。

箴言 29章18節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 ここで語られている幻は預言でもあります。これから起こることの幻、つまり預言がなければ、民は好き勝手に振る舞うと言っています。好き勝手に振る舞うとは、神様を無視して、自分の好きなように生きていくという意味です。しかし、預言があることによって、「神様が言われたとおりになっていくんだ」「神様は本当におられるんだ」「神様の力はすごいんだ」「この世界をおさめておられるのは神様であって人間ではないんだ」ということを人々は知るようになる、と聖書は語っているのです。

 預言がなければ人間は増長して、好き勝手に振る舞ってしまうから、神様は幻、つまり預言をたくさん聖書に記されたのです。この世界のすべてのことをおさめておられるのは神様である、ということを知らしめるため、預言や幻を私達に与えられたのです。

 そして、箴言に、「しかし、みおしえを守る者は幸いである」とあります。神様の私達に対する御心は、神様を知り、命令を守ることです。神様を愛することは、神様の命令を守ることだと聖書にあります。その御教えを守ることを神様は私達に願われています。この世界をおさめているのは人間ではなく神様だということを知らしめ、神様をおそれ、命令を守り、みことばを守り生きるように願われて、神様は、預言をたくさん聖書に記されたのです。

 神様の御教えの中心は、「心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くし、知性を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」ということと、「隣人を自分自身のように愛しなさい」という言葉に要約されています。そして、神様の命令を守っていくなら、あなたの幸せは川のようになり、幸いな人生を全うすることができるとも言われています。自分勝手に、神様を無視して生きていく中に、本当の幸せを見出すことはできません。神様の命令を守っていくこと、すなわち、神様を愛し、自分の隣人を自分と同じように愛していくことの中に、本当に幸いな人生の秘訣があるのです。

 神様は私達を愛されているがゆえに、預言をたくさん聖書の中に記してくださいました。そして、人間が増長して神様を無視し、反抗して生きることがないように、この預言の成就を見て、「あ!この世界をつくっておさめておられるのは神様だ」と知ることができるようにされたのです。

 今回、ロシアがウクライナを侵略したのは、終末の時代に起こるエゼキエル戦争と呼ばれるものの舞台設定がつくられるための侵略戦争ではないか、と感じます。今日は、終末の時代にロシアがどういう戦争をイスラエルに仕掛けるのか、エゼキエル38章に書いてあるので、その中身について見ていきたいと思います。

 エゼキエル38章では、終末の時代に、ロシアに独裁者が起こされることが記されています。エゼキエルというのは、実は今から2600年前に生きた人です。“エゼキ”というのは「強められる」、“エル”というのは、「神様によって強められた人」という意味で、エゼキエルは当時の祭司でした。そして、神様から預言の霊をいただいて、エゼキエル書という預言の書を記しました。2600年前、イスラエルの南ユダ王国が捕囚として引かれていく時代で、遠い遠い昔です。そのような時に記されたのが、エゼキエル書です。そして、そこに記されている表現は、古い2600年前の土地の名前なので、そこは解説を加えながら見ていく必要があります。これから、少しずつ見ていきたいと思います。まず、1節をお読みします。

次のような主のことばが私にあった。

エゼキエル書 38章1節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 これは、エゼキエルに神様の言葉が語られたということです。

「人の子よ。メシェクとトバルの大首長である、マゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言せよ。

エゼキエル書 38章2節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 「人の子よ」とは、「エゼキエルよ」ということです。続く箇所で「メシェクとトバルの大首長である、マゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言せよ」とあります。これはおそらくですが、「メシェク」というのは今のモスクワで、「トバル」はシベリア地方の都市ではないか、と言われています。そこの「大首長である、マゴグの地」というのは、今のロシアです。ロシアの地の「ゴグに顔を向け、彼に預言せよ」とありますが、「ゴグ」というのは英語ではタイトルのことです。日本で言うと首相、昔で言うと征夷大将軍とか、王とかと同じ呼び方です。そういったゴグと呼ばれる独裁者がロシアに現れるということなのです。そして、ロシアの独裁者に預言せよ、と神様はエゼキエルに言われました。

『神である主はこう言われる。メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。今、わたしはおまえを敵とする。

エゼキエル書 38章3節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 「メシェクとトバルの大首長であるゴグよ」と言うのは、ロシアの国をおさめている独裁者のゴグよ、ということです。「わたしはおまえを敵とする」と、言われています。そして4節では次のように記されています。

わたしはおまえを引き回し、おまえのあごに鉤をかけ、おまえと、おまえの全軍勢を出陣させる。それはみな完全に武装した馬や騎兵、大盾と盾を持ち、みな剣を取る大集団だ。

エゼキエル書 38章4節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 これは2600年前に記された聖書の言葉で、当時は戦車も銃もミサイルもないですから、遠い先について幻で見たエゼキエルは、「馬や騎兵、大盾と盾、剣」と表現しています。ここで彼が何を言いたいのかと言うと、完全に武装した大集団が、ロシアの独裁者であるゴグに率いられて出陣しようとしているということです。そしてここでは、出陣の主導権を取られたのは神様だ、と言っているのです。ですから、ゴグと呼ばれるロシアの独裁者を出陣させるのは神様なのです。

 このゴグが、プーチン大統領かどうかはわかりません。ただ、プーチン大統領は憲法を改正して、2036年、すなわち自分が83歳になるまでロシアの大統領に留まることを可能にしたそうです。ですから、もしかするとプーチン大統領かもしれません。しかし、色々な情報を読むと、プーチン大統領には四人の側近がいて、そのうちの一人の後継者と目されている人はすごく残忍な人で、ウクライナの侵略を主導している人だそうです。もしかしたらその後継者かもしれませんし、わからないですけれども、ともかく終わりの時代にロシアの独裁者を神様は出陣させるということです。

 次に5節を読みます。

ペルシアとクシュとプテも彼らとともにいて、みな盾を持ち、かぶとを着けている。

エゼキエル書 38章5節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 ロシアと共にいるのは、ペルシアとクシュとプテだとあります。これも2600年前の国名なので、今の時代はどの国かと言うと、ペルシアはイラン、クシュは今の時代のスーダンやエチオピアです。ちなみに、スーダンはイスラム原理主義の国です。そして、プテはリビアのことです。ですから、イランやスーダンやリビアも皆ロシアに加わります。そして「みな盾を持ち、かぶとを着けている」とあり、これも昔の表現ですが、つまり彼らが完全に武装しているということです。

ゴメルとそのすべての軍隊、北の果てのベテ・トガルマとそのすべての軍隊、それに多くの国々の民がおまえとともにいる。

エゼキエル書 38章6節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 ゴメル、ベテ・トガルマは今の時代のトルコです。トルコも今、イランと非常に友好関係にありますが、西側についたり、イスラム原理国についたり揺れている国です。しかし、トルコも含め、多くの国々がロシアにつくようになる、と聖書はここで語っています。そして7節をお読みします。

備えをせよ。おまえも、おまえのもとに召集された全集団も構えよ。おまえは彼らを統率せよ。

エゼキエル書 38章7節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 「おまえ」というのはゴグ、すなわちロシアの独裁者ですが、招集されたイランやスーダン、トルコなどの国から招集された軍隊を統率して備えよ、とその独裁者に対して神様は語られています。

多くの日が過ぎて、おまえは徴集され、多くの年月の後、おまえは、一つの国に侵入する。そこは剣から立ち直り、多くの国々の民の中から、久しく廃墟であったイスラエルの山々に集められた者たちの国である。その民は国々の民の中から導き出され、みな安らかに住んでいる。

エゼキエル書 38章8節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 「多くの年月の後」とは、旧約の時代の聖書の独特な言い回しです。終末の時代に、ロシアの独裁者は一つの国に侵入する、と言われています。その国は「剣から立ち直り、多くの国々の民の中から、久しく廃墟であったイスラエルの山々に集められた者たちの国」とあります。そして、「その民は国々の民の中から導き出され、みな安らかに住んでいる」とあります。

 この一つの国は、イスラエルのことです。イスラエル人、すなわちユダヤ人は、アウシュビッツでの不幸な出来事をはじめ、イスラエルという国の建国後に起こった中東戦争など、多くの「」、すなわち、戦争から多くの命が奪われるという悲惨な状況を通ってきました。しかし、「剣から立ち直り」とあるとおり、今はそこから立ち直りました。

 私達は、あまりよく状況を知らないので、イスラエルが勝手にパレスチナに住んでいる人々の国を占領したんだ、と言われると「あ、そうなのかな」と思います。しかし、実際に調べてみると、以下のことがわかります。

 実はイスラエルの国は紀元後70年にローマ帝国によって滅ぼされたのち、1947年まで国がありませんでした。このように、国が1900年近くなかったのですが、アウシュビッツの悲劇など色々なことを通された後、終末の時が来るまでに再建されると聖書で預言されていました。その預言のとおり、1947年にイスラエルという国が再建されました。そして、パレスチナ人がイスラエルの国に裕福に住んでいたのか、というとそうではなく、聖書には「久しく廃墟であった」とあります。実際、当時の写真をみると、ただの荒地なんですね。本当に大変な荒地で廃墟となっていたところにイスラエルの民は帰ってきました。自分達の国がないと、アウシュビッツの時のようにユダヤ人が排斥されるので、国が欲しいからと言って、「多くの国々の民の中から、久しく廃墟であったイスラエルの山々に集められた」国がイスラエル、と言うわけなのです。

 1900年近く国がなかったのに、「多くの国々の民の中から、久しく廃墟であったイスラエルの山々に集められた」国、それがイスラエルだ、ということですけれども、実はこれも聖書の預言の成就です。これは2600年前の預言でしたが、確かに1947年、イスラエルの国が再建された時をピッタリと言い当てています。

 そして、「その民は国々の民の中から導き出され、みな安らかに住んでいる」とあります。イスラエルの国が再建された時、アメリカから、ロシアから、アフリカから、ヨーロッパから、ユダヤ人達は皆イスラエルに帰還して、イスラエルの国を建国しました。これも預言の成就です。

 これまで述べてきたとおり、イスラエルが建国されたときについての預言はみな成就しているわけですが、続いて9節もお読みします。

おまえは嵐のように攻め上り、おまえと、おまえの全部隊、それに、おまえにつく多くの国々の民は、地をおおう雲のようになる。

エゼキエル書 38章9節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 「おまえ」とはゴグのことで、これまで述べてきたとおりロシアの独裁者のことです。その独裁者が「嵐のように攻め上る」とあります。今回ウクライナに不意打ちのように侵略したように、ゴグとその全部隊、それにゴグにつく多くの国々の民、つまりイランとかトルコとかその他の国々が、急にイスラエルを攻め上るということです。そして攻め上るのは、「地をおおう雲のように」とある通り、非常に大きな軍団です。

神である主はこう言う。その日には、おまえの心に様々なことが思い浮かぶ。おまえは悪巧みをめぐらして、
こう言うだろう。「私は無防備な国に攻め上ろう。安心して暮らす平穏な者たちのところに侵入しよう。彼らはみな城壁もなく住んでいる。かんぬきも門もない」と。

エゼキエル書 38章10~11節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 「彼らはみな城壁もなく住んでいる。かんぬきも門もない」とあるのは、2600年前の表現ですが、ともかく無防備で安心して住み、平和に過ごしているイスラエルの国に、その大きな軍団が攻め上ろうとするということです。そしてその理由はなんなのかと言うと、12節にあります。

それは、おまえが略奪し、獲物をかすめ奪うため、また今は人の住むようになった廃墟と、国々から集められて地の中心に住み、家畜と財産を所有した民とに向かって手を伸ばすためだ。

エゼキエル書 38章12節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 その略奪する目的は、豊かになったイスラエルの富を奪うためです。実はこれも納得できるわけですが、多分、経済制裁がロシアに課せられていくことによるものだと思います。今でもロシアのルーブルは大幅下落していますし、ビザも撤退すると言われています。こうして世界中の企業がロシアから出て行っているわけです。多分、これからもロシアは経済的にすごく疲弊していくでしょうし、イランも今、経済制裁にあって疲弊しています。だからある意味、経済的に疲弊している国同士が手を結んで、豊かになったイスラエルの富を略奪しに行くと考えると、今彼らがそう考えてもなんの不思議もない時代になっています。

 そして、皆さんはイスラエルというと農業国だと思われるかもしれませんが、実は有数の豊かな国です。死海には豊富なミネラルがあって、資源がたくさんあります。そしてテルアビブという空港のあるところを中心として、IT、AIなどの世界の中心的な先端技術がイスラエルにあります。また、近年、イスラエルには石油が発掘されてすごく豊かになっています。ですから、私達は、豊かな国というとアメリカだ、ウォール街だ、と思うかもしれませんが、実は億万長者が一番多い国はイスラエルだと言われています。このように、イスラエルは大変豊かな国になっています。昔の農業国というイメージと全く違うわけです。ですから、ロシア、イランやトルコなどの貧しい国が手を結び、豊かになったイスラエルに攻め上って彼らの富を得よう、略奪しようとして、侵入しようとすることも十分に考えられる舞台設定になってきているのです。

 そして、13節をお読みします。

シェバやデダンやタルシシュの商人たち、およびそのすべての若い獅子たちは、おまえに言うだろう。「おまえは分捕るために来たのか。獲物をかすめ奪うために隊を構えたのか。銀や金を運び去り、家畜や財産を取り、大いに略奪しようとするつもりか」と。』

エゼキエル書 38章13節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 シェバと言うのはどこの国かと言うと、サウジアラビアのことです。また、デダンもサウジアラビアです。タルシシュは今のスペインです。そして、そこの「商人たち、およびそのすべての若い獅子たち」とありますが、「若い獅子たち」というのは、新しい新興国と捉えることができます。アメリカの国が建国されたのは今からせいぜい200年ほど前ですから、このエゼキエル書の預言が語られた2600年前にはまだ、アメリカ大陸は発見されていませんでした。アメリカもカナダもなかったので、「若い獅子たち」と呼ばれているわけです。また、「若い獅子たち」は植民地とも訳せる言葉ですが、アメリカ大陸を発見したのは、ここに記されているタルシシュ出身のコロンブスと言われています。ここで、サウジアラビアやスペインなどのヨーロッパの国々やアメリカやカナダは、「おまえに言うだろう」とあります。これは「言うだけ」という意味です。イスラエルが侵略されていくのを目にして、「『おまえは分捕るために来たのか。獲物をかすめ奪うために隊を構えたのか。銀や金を運び去り、家畜や財産を取り、大いに略奪しようとするつもりか』」と言うだけなのです。

 このように、サウジアラビアは、略奪戦争のためロシアには加わらないけれども、傍観して、「えっ、イスラエルから略奪するのか」と言うだけです。サウジアラビアにしても、ヨーロッパの国々にしても、アメリカやカナダにしても、今回のウクライナのときと同じように、何も手を出さず、「おまえは略奪するために来たのか」と言うだけなのです。ですから、イスラエルは孤立無援だ、と聖書は言っているのです。

 ちなみに、アメリカは、オバマ前大統領の前までは、世界の警察と呼ばれていました。しかし、もうオバマ前大統領の時から世界の警察をやめてしまい、アメリカの国力が著しく低下しました。オバマ前大統領はイスラム教徒だと言われていますが、同性婚を合法化して、ホワイトハウスのチャペルをゲイの人びとのミーティングルームに変えたり、神様が忌み嫌われることをアメリカにもたらしました。このため、今までアメリカにあった神様の祝福が取り去られました。そして以前は親イスラエルの政策をとっていたため、アメリカは祝福されていましたが、そこからアメリカは離脱してしまったので、祝福がアメリカから取り去られました。と言うのは、神様はイスラエルを祝福するものを私は祝福すると、言われたからです。今はまだなんとか、体面は保っていますが、デイビッド・ウィルカーソン先生の預言によると、これからもアメリカの衰退は激しくなります。ですから、これからアメリカは今までのような輝きを失っていくことが見えてきます。そして、イスラエルがロシアやその連合軍に攻められても、「おまえは略奪しに来たのか!」「富を奪うために来たのか!」と傍観して、言うだけの国になってしまう、と預言されているのです。

 続いて14節から16節をお読みします。

それゆえ、人の子よ、預言してゴグに言え。『神である主はこう言われる。わたしの民イスラエルが安心して住んでいるとき、まさに、その日、おまえは知ることになる。
おまえは北の果てのおまえの国から、多くの国々の民とともに来る。彼らはみな馬に乗る者で、大集団、大軍勢だ。
おまえはわたしの民イスラエルを攻めに上り、地をおおう雲のようになる。終わりの日に、そのことは起こる。ゴグよ、わたしはおまえに、わたしの地を攻めさせる。それは、わたしがおまえを使って、国々の目の前にわたしが聖であることを示し、彼らがわたしを知るためだ。

エゼキエル書 38章14~16節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 「人の子よ」とはエゼキエルのことで、神様はエゼキエルに、ゴグ、すなわちロシアの独裁者に預言するようにと語られました。イスラエルから見たらロシアは北の果てに位置していますから、その「北の果てのおまえの国から、多くの国々の民とともに来る。彼らはみな馬に乗る者で、大集団、大軍勢だ。」とあります。2600年前の表現ですけれども、武装した大集団だ、と言っているのです。

 そして、「おまえはわたしの民イスラエルを攻めに上り、地をおおう雲のようになる。終わりの日に、そのことは起こる。」と神様は言われました。「終わりの日」とはこの終末の時代のことです。そして、「ゴグよ、わたしはおまえに、わたしの地を攻めさせる。」とあります。神様が主導してイスラエルの地をロシアの独裁者によって攻めさせるということです。その理由は何なのかというと、目的は「わたしがおまえを使って、国々の目の前にわたしが聖であることを示し、彼らがわたしを知るためだ」とあります。

 神様が、ロシアの独裁者とその連合軍を使ってイスラエルを攻めさせるのは、どの神様が真の神様なのか、そしてその神様がどれほど力のある神様なのかということをイスラエルの民にも、また全世界の民にも知らせるためなのです。ですから、無防備に住んでいるイスラエルの民は、ロシアの独裁者に率いられた、多くの軍勢によって攻められた時、誰も他の国は助けてくれない状況に陥ります。他の国は「略奪しに来たのか」「侵略戦争を仕掛けるのか」と言って、今のウクライナ情勢のように、ただ傍観しているだけです。このような状況にイスラエルは置かれて、もう誰の目から見ても敗戦しかないと思うその時、神様は介入されて、神様こそこの世界をおさめておられるお方、神様こそ力ある方だと知らしめられるのです。

 そして、どういうことが起こるのか、17節をお読みします。

神である主はこう言う。おまえは、わたしが昔、わたしのしもべであるイスラエルの預言者たちを通して語った、まさにその者ではないか。この預言者たちは長年にわたり、わたしがおまえに彼らを攻めさせると預言していたのだ。』
ゴグがイスラエルの地を攻めるその日──神である主のことば──わたしの憤りは激しく燃え上がる。

エゼキエル書 38章17~18節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 ロシアの独裁者がイスラエルの地を攻めるその日に、神様の怒りは激しく燃え上がります。そして19節をお読みします。

わたしは、ねたみをもって、激しい怒りの火をもって告げる。その日には必ずイスラエルの地に大きな地震が起こる。

エゼキエル書 38章19節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 ロシアの独裁者によって率いられたイスラム原理主義の国の連合軍に対して、神様の怒りが燃え上がり、その日イスラエルには大きな地震が起こります。

海の魚、空の鳥、野の獣、地面を這うすべてのもの、地上のすべての人間は、わたしの前で震え上がり、山々はくつがえり、崖は落ち、すべての城壁は地に倒れる。
わたしは剣を呼び寄せて、わたしのすべての山々でゴグを攻めさせる──神である主のことば──。剣による同士討ちが起こる。

エゼキエル書 38章20~21節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 そのとき地震が起こって、いろいろな国からの連合軍も皆震え上がりますが、この時に同士討ちが起こります。

わたしは疫病と流血で彼に罰を下し、彼と、彼の部隊と、彼とともにいる多くの国々の民の上に豪雨、雹、火、硫黄を降らせる。

エゼキエル書 38章22節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 神様ご自身によって、ロシアの独裁者にイスラエルが侵略される日に、神様の怒りが燃え上がり、神様が介入されます。他の国が助けるのでも、イスラエルが自分で戦うのでもなく、神様が介入されて、大地震が起こり、同士討ちが起こり、疫病、流血、そして豪雨、雹、火、硫黄を神様が降らせるということです。そしてゴグを神様が敗退させるということです。神様がイスラエルを守られるのです。このように22節では、ゴグが敗戦する様子が記されているわけですが、これに続く23節をお読みします。

わたしは、わたしが大いなる者であること、わたしが聖であることを示し、多くの国々の見ている前でわたしを知らせる。そのとき彼らは、わたしが主であることを知る。」

エゼキエル書 38章23節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 これは、まさに今の現代の様相をその通りに記述しています。「多くの国々の見ている前で」とありますが、今は遠く離れたウクライナの状況も、すぐにインターネットで繋がれて状況を見ることができます。ですから、イスラエルが侵略された後、神様が介入されてイスラエルを守り、ロシアの独裁者によって率いられたイランやトルコ軍の人びとが敗退していく様子を、多くの国々の人がその目で見る、と聖書は言っているのです。インターネット動画か何かだと思いますが、それで世界中の多くの人びとが見て、彼らが「わたしが主であることを知る」と神様は言っているのです。誰が見てもイスラエルは絶体絶命、もう何の助けもないと思われるその時、神様は介入されます。人が助けるのではなく、神様がイスラエルの国を守られます。そして人々は、「ああ、ここに神様おられる」と思い、神様でなければこのようなロシア、イランやトルコの大軍勢から決して守られないということを知ることになるのです。そのことがここで預言されているのです。

 そして、先ほども申し上げたように、聖書の預言は何一つ地に落ちることはなく、すべて成就しています。今回のようにウクライナにロシアが侵略戦争を仕掛けることによって、多分、ロシアは経済的にさらに貧しくなります。そして、他の貧しい国々と手を結び、世界で一番豊かな国と言われているイスラエルを略奪して富を得ようとすることは大いに考えられることです。その舞台設定が今、できているということも私達は覚えなければいけません。

 世界の終わりに起こることもある意味、神様の恵みです。人々がこの世界をおさめているのは神様であるということを知るようになるからです。また、人間の知恵や努力など全然及ばない、大したことなんか何もない、役に立たないということを知ることができるのです。大地震にしても、東日本大震災にしても、人間の科学や努力はこの大きな地震、津波に対しては全く無力でした。コロナの疫病にしても、ともかく人間は無力だということを知らしめるために、神様がなされているのです。

 「えっ、愛の神様なのになんでそんな私達を苦しめるのか」と言われる方もおられるでしょう。しかし、それは人間が神様を無視し、反抗して生きているので、神様の怒りが積まれているから、と聖書にあるとおりです。そして、神様に反抗して無視して生きていくので、神様の怒りがずーっと積まれて、その怒りが頂点に達したときに、この世界は滅び去ります。火で焼かれるためにとっておいてある、と聖書にあるとおりです。火というのは、最終戦争と呼ばれるハルマゲドンの戦いなど核戦争かもしれないですし、もしかしたら、世界に六つあるとい言われるカルデラ火山の爆発によって、全てが火に焼かれるのかもしれません。ともかく、聖書には世界は火で焼かれると書かれています。

 イエス様は確かにこの世界をさばくために来られるわけですが、私達イエス様を信じる者に対して語られている大きな希望があります。それはイエス様に従う者をイエス様は迎えに来てくださるということです。そして引き上げられ、イエス様と共に永遠を過ごすため、天国に導き入れられるという大きな約束があります。崩れ去り、燃えていくこの地上の虚しいものに目を向けて追い求めるのではなく、この世界をおさめておられる神様を恐れて生きることは本当に大切なことです。そして、神様の御心は先ほども申し上げたように、神様を愛して、隣人を自分と同じように愛して生きることです。この地上の過ぎゆく、腐って無くなってしまうところに宝を積むのではなく、永遠に残る天国に宝を積みなさい、と聖書で命じられているとおりです。それは、隣人を自分自身のように愛し、空腹の人に食べ物を与え、乾いている人に飲み物を与え、着る物がない人に着るものを与え、病気の人を見舞い、泊まるところがない人に宿を貸す、ということを地上でなす、ということです。そのことをなした全てのことは覚えられていて、神様は報いてくださいます。

 ですから私達は、この地上で残された日々を自分の快楽のために使わないようにしたいと思います。この世界は滅びてしまうので、そこに宝を積むのではなく、天国に宝を積んでいきたいと思います。そして、本当に神様の言われているように自分自身のように隣人を愛して生きることが私達にとっては大切なことです。

 イエス様の弟子、すなわち、イエス様に繋がるものだからと言ってコップ一杯の水を差し出すなら、その小さな行いでも報いにもれないとあります。神様は全て見ていてくださり、報いてくださいます。ですから、私達は、自分の快楽とか名誉のために、この残された地上での人生を使うのではなく、本当に、神様が喜ばれるように人生を使い、生きていきたいと思います。

 そして聖書の預言が私達に与えられているのは、この世界をつくっておさめておられるのは神様だということを私達が知るようになるためです。そして、神様の命令を守って生きるようになるためです。私達の好奇心を満たすために、ロシアがイスラエルを攻めるエゼキエル戦争を神様が私達に示されたわけではありません。神様の計画された通りになっていくということなのです。ロシアの独裁者(多分ですが)が貧しい国であるイランや、その友好国のトルコに声をかけて、世界で一番豊かなイスラエルを略奪するために攻めることは十分に起こりうる舞台設定が今、できています。ですから、その日もそんなに遠くないと思います。

 私達は、それが起こったときに、エゼキエル書のあの戦争の預言が成就したことを知ることになります。だからこそ、神様の御言葉はすべて成就するということを心に留めて、地上の過ぎゆく虚しいものに目を留めるのではなく、神様の御言葉に目を留めて、生きて行きたいと思います。

 世界情勢はこれから本当に目まぐるしく動くと思います。そして、残念ながら、コロナが克服されたとしても、また新しい疫病が多分世界を襲うと思います。でもその中にあって、私達が目を留めるべきなのは、神様であり、救い主、主であるイエス様です。それが一番大切なことです。私達は、本当に何が一番大切かということに目を留めて、日々生きて行きたいと思います。

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