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祈祷会メッセージとお祈りの課題

最も偉大な大祭司

したがってイエスは、いつも生きていて、彼らのためにとりなしをしておられるので、ご自分によって神に近づく人々を完全に救うことがおできになります。このような方、敬虔で、悪も汚れもなく、罪人から離され、また天よりも高く上げられた大祭司こそ、私たちにとってまさに必要な方です。
ヘブル7:25-26

ヘブル人への手紙を開きました。ヘブル人への手紙は、伝統的にはパウロが書いたのではないかと言われていましたが、手紙の中には誰が書いたという説明がありません。他にもいろいろな著者候補が挙げられていますが、決定的なものはなく著者不明というのが一般的なようです。宛先は「ヘブル人へ」となっていて、手紙の内容からもイスラエルの律法、祭儀に関する言及が多く、旧約聖書の知識をある程度持っている方を前提としています。もしかしたらイスラエルの文化に疎い日本人からはよく分からない文章と映るかもしれません。適宜、出エジプト記、レビ記などを参照しながら読むことが必要となります。

ヘブル5-7章では、イエス・キリストが「メルキゼデクの例に倣い」最も優れた大祭司であることが論証されています。メルキゼデクとは誰なのか、大祭司とは何をしているのか、イスラエルの文化を知っていなければ難しい文章です。まず祭司とは、神様と人間を結ぶ橋渡しの役を担っている人々です。彼らは毎日、幕屋という礼拝所で、民のために神様にとりなしの捧げ物と祈りをしていました。彼らの祈りを神様が聞かれ、民の罪を赦し、和解をして下さるのです。その祭司たちの長が大祭司です。大祭司は年に一度、幕屋の一番奥にある至聖所と呼ばれる部屋に入り、イスラエルの民全体のために宥めの捧げ物をしました。祭司たちは毎日、祈りと捧げ物の仕事をしているので、他の仕事ができません。そのため、イスラエルの民が神様に捧げた物の一部を祭司たちが食べて良い事になっています。

メルキゼデクとは創世記に突然登場する神の祭司です。まだイスラエルという国が無く、当然、律法や祭司の職業という規定もなかった時代です。メルキゼデクはレビ人だからとか、イスラエル人だからということとは関係なく、神様から特別に祭司に選ばれた人です。7:3で示されるように始まりと終わりの無い神秘的で、偉大な祭司と理解されています。すべてのイスラエル人の祖先であるアブラハムもメルキゼデクに捧げ物をもっていき、メルキゼデクから祝福を受けました(創世記14:18-20)。

ヘブル人への手紙でたびたび詩篇110:4が引用されていますが、イエス・キリストは「メルキゼデクの例に倣い、とこしえに祭司である」お方です。ヘブル人への手紙の著者は、イスラエルで祭司職を担っていた者たちは、神様に選ばれた尊い存在でしたが、イエス・キリストはさらに尊い、優れた、完全な存在であると言いたいのです。イエス様は生涯で罪をおかしたことが無く、常に神様に従順でした。そしてメルキゼデクのように祭司の規定によって選ばれた祭司ではなく、突然、神様から選ばれた大祭司です。祭司たちは動物を捧げ物として捧げましたが、イエス様は十字架でご自分の体を差し出されました。そして3日目に神様の力で復活し、天に上げられ、今でも生きておられます。イエス様は、そのような最も偉大で、完全な大祭司ですから、私たちを完全に救うことがおできになります。私たちの罪を赦し、新しいいのちを与え、神様との完全な和解を与えて下さいます。そのような最も優れた大祭司イエス様に感謝したいと思います。

お祈りの課題

  • 昭島教会に集う方々、ご家族のために
  • 最近、初めて来られた方々、久しぶりに来られた方々、求道中の方々のために
  • ワックスがけ、宣教礼拝のために
  • 宣教地のために
  • 川越教会のために