高齢者のうつと自殺について
高齢者のうつと自殺が社会の中で問題になっています。年間3万人に及ぶ自殺者の内、60歳以上が全体の30%を超えトップになっています。この現実を知っておくことはとても大切なことです。中高年期・老年期は他の時期と比べて生きる条件が著しく異なり、肉体的、精神的な衰えも増し、生きるエネルギーが下降します。それに加え、現代社会固有の強度の心理的、社会的ストレスが背景にあります。経済的問題はもとより、なかなか自立できない子供たちの問題、また老いを抱えての親の介護や自らの健康問題など、精神的ストレスは重層的です。
このストレスというものは厄介なもので、蓄積されますと心身を疲労させうつ状態を引き起こし、心身症やうつ病発症のきっかけともなります。留意しておきたいことは、現代の高齢者は、いつでもうつ感情が引き起こされるほどの環境下にあることに加え、近年、ますます希薄になってきた人間関係家族関係がその心を孤独へと追いやっている深刻な現実があるということです。
生産性を求められる社会において、高齢者、障がい者はのけ者にされ、生きる価値を否定されてしまいます。高齢者自身も生きる希望、生きる意味を失い、死にたいという思い、何のために生きているのか、家族に面倒だけをかけているのではと、生きることに否定的になってしまいます。しかし、聖書における神様の目は、この世の価値観と違う目で私たちを見ています。神様が私たちを高価で尊いと感じておられるのは、私たちの生産性や能力ではなく、その存在にあります。神様が天地を創られ、人間を造られたとき、それは非常に良かったと聖書に記録されています。そのように、人間の価値はその人の能力にあるのではなく、その存在にあります。高齢になり若い時のように思うように動けなくても、病気で寝たきりであっても、障がいがあり周りの人々と同じように働けなくても、命がある限り、その人は、神様の目に尊い存在です。生きる希望を失った方、生きることに疲れた方。ぜひ、教会にお越しください。教会には、生きる希望、生きる喜びがあります。