ハートフル・メッセージ28:引きこもりの高齢化について

 近年、引きこもりの高齢化問題がクローズアップされるようになりました。また、長年引きこもっていた中年男性の犯罪、親が引きこもっていた中年の息子の命を奪うなどの事件を通して、引きこもりの人に対して、テレビなどで過剰に反応されているように思います。本来、引きこもりの人は、家の外に出るのが怖くて、人を殺すなどできない人々です。この度の殺人は引きこもりの問題と言うよりも、疎外感や孤独、憎しみの問題と考えた方が良いように思います。

 引きこもりになる人は、自分の感情をうまく人に伝えることが苦手な人が多く、それゆえ、自分を責め、自殺願望を持つ人もいます。引きこもりの問題はごく一部の人の問題ではなく私たちの身近な問題となりつつあります。それゆえ、彼らのことを正しく理解しなければなりません。彼らは怠けて家から出ないわけではありません。心の病と考えたらどうでしょうか。病気なら治療が必要です。場合によっては、入院が必要な人もいます。体のケガも治療に時間がかかるように、心の病気も治るのに時間が必要です。引きこもりの人とどのように接したら良いでしょうか。

1、引きこもっている人の話を聞き、本人の苦しみを理解してあげること

2、家族は、引きこもっている人が家にいることをはずかしく思わないこと

3、時間がかかっても、見捨てないで、援助し続けること

 まず、母親や心を開いている人が話しかける。次に、家族と食事をすることなど、少しずつ周りとコミュニケーションを取ることによって、人と関係を持つことの怖れを取り除くことが大切です。長期間外に出ないと、家の外に出ることが怖くなり、一人で家の外に出ることが出来なくなってしまいます。そのような時は、家族が外に連れ出すきっかけを作り、家族の誰かと一緒に出ることによって、外に出ることの恐怖心を克服することができます。それには、家族の協力と励ましが必要です。

 家族に引きこもりの人がいる場合、家族だけで解決しようとしないで、専門機関(カウンセラー)に相談することが、一番の早道です。また、教会にご相談ください。この問題はすぐには解決することは出来ません。時間をかけて少しずつ進めて行かなければなりません。そのためには、待つ忍耐が必要です。また、かならず治るという希望を持つことが大切です。教会では、いつでもご相談を受けます。ぜひ一度、ご相談ください。お待ちしております。 牧師:久富昭彦