カテゴリー
祈祷会メッセージとお祈りの課題

ダビデの家族の確執と和解

それで、ヨアブは王のところに行き、王に告げたので、王はアブシャロムを呼び寄せた。アブシャロムは王のところに来て、王の前で地にひれ伏して礼をした。王はアブシャロムに口づけした。
IIサムエル14:33

IIサムエル11~12章でダビデが、ウリヤの妻バテ・シェバのことで罪を犯します。神様はダビデに対して、「あなたの家の中から、あなたの上にわざわいを引き起こす(12:11)」と宣告します。そして13章からダビデの家族は大変なことになっていきます。

ダビデには妻やそばめたちが何人もいて、違う母親を持つ息子、娘たちが何人もいました。アムノンは異母兄妹であるタマルに好意を寄せ、あろうことか強引にタマルを辱め、その直後に今度は憎しみに駆られてタマルを捨ててしまいます。ダビデをこのことを聞いて、激しく怒りますが、何の対策も打てないでいます。タマルの実の兄であるアブシャロムは、アムノンに対して殺意を抱き、2年がかりの計画でアムノンを殺害します。ダビデは、タマル、アムノン、アブシャロムの息子娘たちの争いに大きな悲しみに暮れることになります。

14章の最後14:33は一見、ダビデが、アムノン殺害後、逃亡していたアブシャロムと和解しているように見えます。しかしこの後、15章に入ると、アブシャロムはダビデ王朝の転覆を謀り、クーデターをおこします。ダビデの家族に対する苦しみはまだ続くことになるのです。2/26には永井先生が礼拝に来てくださって、敵意について説教をしてくださいました。人と人の間に起こる敵意は、簡単には解消することはできません。人を赦すということがとても難しいことであることがよく分かります。ダビデとアブシャロムのような大きな確執はなかったとしても、私たちは簡単に人に対して敵意を抱きます。本当にごくごく些細なことで敵意を抱き、お互い赦し合うことができずにことを大きくしてしまいます。神様はそれほど大きな敵意をキリストによって取り除いてくださっているのです。

ダビデは誠実でとても良い王様として有名ですが、バテ・シェバの事件だけは赦せないと思う方も多いと思います。それは神様も同じでした。ダビデに対する刑罰がどれほど大きなものであったかを見れば、神様がどれほどバテ・シェバ事件を重要視しておられたか明らかです。しかし神様はその悲惨な事件の中にも救いを用意していてくださいます。12:24には次の王となるソロモンの誕生が描かれています。ソロモンの誕生はここではさらっと描かれていますが、あれほど大きな事件の後に生まれた子どもです。世間でもどれだけ冷たい視線で見られたか分かりません。悪い言い方をすれば、ソロモンは不義の子なのです。しかし聖書には「主はその子を愛されたので、預言者ナタンを遣わして、主のために、その名をエディデヤと名付けさせた。」と書かれています。神様はダビデの家の確執から生まれた、世間からつまはじきにされそうな子を愛され、自ら「主から愛されている」という意味の別名を与えられ、そしてイスラエルの王とされるのです。それは神様が弱い者の味方であり、罪の赦しを宣言し、自らの犠牲によって敵意を取り除く愛を持っておられるお方であることを表しています。そして神様の愛は見えにくいですが、アブシャロムにも注がれています。I列王15章に、ユダの王アビヤムは、アブシャロムの娘を母としていたことが書かれています。ダビデ王家の中にアブシャロムの血筋が残されているのです。ダビデとアブシャロムの和解はこの王家の血筋の中にしっかりと残されることになりました。人間の様々な思いが渦巻く中でもしっかりと神様の敵意を取り除く愛が示されていることに感謝します。

お祈りの課題
  • 昭島教会に集う方々、ご家族のために
  • 2月に初めて来られた方々、久しぶりに来られた方々のために
  • 愛餐懇談会、葬儀セミナーのために
  • 八王子教会のために