ハートフル・メッセージ27:新しい環境になれましたか

 五月に入りました。新しいクラス、新しい職場に慣れたでしょうか。人によって、新しい環境に順応しやすい人と、時間のかかる人がいます。友達を積極的に作れる外交的な人は、環境になれやすいですが、内向的な人は、友だちができにくく、そのために、日々、人の目が気になり、ストレスをためやすくなります。そのため、この時期、五月病を発症する人が出てきます。五月病とは、正式な病名ではなく、病院では、適応障害、または、うつ病と診断されます。

 カトリックのシスターであった、故渡辺和子さんの著書の中に「置かれた場所で咲きなさい。」という本があります。幻冬舎から出版され、100万分以上も売れた有名な書籍です。渡辺和子さん自身、若くして、ノートルダム清心学園理事長の座に着き、苦労した体験を通して、どのように、そのような苦しい環境に置かれた時に、対処してきたか。また、対処すればよいかがわかりやすく書かれています。

 この世は偶然によって成り立っているわけではありません。目には見えませんが、この世を創造し、支配しておられる神様がおられます。生まれたのが神様の意志であるなら、今、そこに存在しているのも神様の意思です。それを専門的なことばで「神の摂理」と呼びます。先ほどの「置かれた場所で咲きなさい」の「置かれた場所」とは、神様によって「置かれた場所」という意味です。人間は自分の人生を自分で切り開いているいるように見えても、人間の力を超えた何かによって思いもよらない環境に置かれることがあります。その人間の力を超えた何かとは神様です。私たちの人生は神様の御手の中になり、神様の御心に従って知らないうちに導かれているのです。

 また、神様は私たちを愛しておられます。そのうえで、神様は私たちを必要な場所に置かれます。その場所とは、最初は受け入れがたい環境かもしれません。しかし、神様は私たちの必要が何かを知って、その環境に私たちを置くことがあります。じゅうたんの表と裏の話があります。じゅうたんの表はきれいに編まれていてもその裏側は、何を描いているのかわかりません。私たちの人生も同じだとある先生が言われました。その時は、苦しく、つらい状況でも、後で振り返ると、今の自分にとってかけがえのない時であったことがわかります。それゆえ、今の環境を嘆く前に、今、自分にできることを考えましょう。そうすることによって今の環境を受け入れ、将来に希望を持つことができます。このことについて、もっとお知りになりたい方は、教会にお越しください。喜んでお話をうかがいます。