ナオミとルツに備えられた神の祝福

ルツ記2章1節~13節

先週はルツ記から、モアブの女性ルツがどのようにして、イスラエルの神を自分の神とすることを決心したのかを学びました。ルツの決断に大きな影響を与えたのは義理の母のナオミの信仰でした。

もう一度、ナオミの歩みを確認します。イスラエルの国が飢饉となり、ベツレヘムに住んでいたエリメレクとナオミは食料を求めて隣の国モアブの野に、二人の息子を連れて移住しました。そこで、ナオミは夫を亡くし、一人で二人の息子を育てることになりました。そしてその後、成長した二人の息子はモアブの女性と結婚しました。彼らは10年間幸せに暮らしたとあります。しかし、二人の息子も亡くなり、ナオミには二人の息子の嫁が残されました。また、ナオミはイスラエルの国が飢饉から立ち直り、豊かになったことを聞き、ベツレヘムに帰ることを決めました。しかし、ナオミは二人のモアブの女性を連れて、ベツレヘムで共に暮らすことに困難を覚え、二人と別れる決心をしました。弟の嫁オルパはナオミとの別れを受け入れ彼女から去って行きました。しかし、兄息子の嫁ルツは、ナオミと共にベツレヘムに行きたいと彼女にすがりついたのです。また、ルツはナオミの信じる神を自分の神として信じたいと信仰の告白をしました。ナオミはルツの決心が堅いのを見て、二人でベツレヘムに帰る決心をしたのです。

1、ベツレヘムに帰るナオミとルツ(ルツ記1章19節~22節)

 1章19節「二人は旅をして、ベツレヘムに着いた。彼女たちがベツレヘムに着くと、町中が二人のことで騒ぎ出し、女たちは『まあ、ナオミではありませんか』と言った。」とあります。イスラエルの国とモアブの国は、対立した時代もありますが、友好関係を結んでいた時代もあります。ナオミがモアブの女性と共に帰って来たことに町中が驚き、二人は町中から好奇な目で見られました。それに対してナオミは言いました。20節21節「ナオミは彼女たちに言った。『私をナオミ(快い)と呼ばないで、マラ(苦しむ)と呼んでください。全能者が私を大きな苦しみにあわせたのですから。私は出て行くときは満ち足りていましたが、主は私を素手で帰されました。どうして私をナオミと呼ぶのですか。主が私を卑しくし、全能者が私を辛い目にあわせられたというのに。』」ナオミのこのことばをどのように理解したら良いのか難しい箇所です。これは、ナオミの素直な気持ちの表現だと受け取って良いと思います。また、ナオミの苦しみの大きさを表したことばです。夫を失い苦労して二人の息子を育て上げ、それぞれが結婚し幸せになったと思ったら、二人の息子も失ってしまいました。誰が平気でいられるでしょうか。神を呪い、神を否定したくなる境遇です。それでもナオミは神から離れることなく、新たな思いでベツレヘムに帰り、新しい生活を始めました。そこにナオミの信仰の強さを見ます。神はこのナオミの信仰の決断を受け入れ、彼女のために大きな祝福を備えておられたのです。

2、ルツとボアズとの出会い(ルツ記2章1節~23節)

 2章1節「さて、ナオミには、夫エリメレクの一族に属する一人の有力な親戚がいた。その人の名はボアズであった。」とあります。ボアズは「有力な親戚」とありますので、ベツレヘムでは有名でお金持ちであったと考えられます。2章2節「モアブの女ルツはナオミに言った。『畑に行かせてください。そして、親切にしてくれる人のうしろで落ち穂を拾い集めさせてください。』ナオミは『娘よ、行っておいで』と言った。」3節「ルツは出かけて行って、刈り入れをする人たちの後について畑で落ち穂を拾い集めた。それは、はからずもエリメレクの一族に属するボアズの畑であった。」とあります。他人の畑で落ちた穂を集めることは、神の定めた律法で許される行為でしたて。それは、貧しい人々を助けるための神の配慮でした。また、3節に「はからずも」という言葉がありますが、ルツにとっては、意図的ではなく偶然でしたが、神にとってはそれが、神の計らいであり、神が備えた脱出(幸福)の道の入り口だったのです。ボアズはルツに目を留め、使用人に彼女のことを尋ねました。6節7節「刈る人たちの世話をしている若者は答えた。『あれは、ナオミと一緒にモアブの野から戻って来たモアブの娘です。彼女は「刈る人たちの後について、束のところで落ち穂を拾い集めさせてください」と言いました。ここに来て、朝から今までほとんど家で休みもせず、ずっと立ち働いています。』」ボアズはルツのことを聞いて、彼女に親切に対応し、多くの落ち穂を拾わせました。しかし、この時ボアズはまだ、ルツに対して特別な恋愛感情を持ったわけではありません。

帰って来たルツはボアズの畑で親切にされたことをナオミに話しました。20節「ナオミは嫁に言った。『生きている者にも、死んだ者にも、恵みを惜しまない主が、その方を祝福されますように。』ナオミは、また言った。『その方は私たちの近親の者で、しかも、買戻しの権利のある親類の一人です。』」「買戻しの権利のある親類」とは、土地を売った者がその土地を買い戻す力がないときは、近い親類が変わりにその土地を買い戻さなければならないという戒めがありました。他の部族に土地が渡らないようにするための制度です。しかも、そこに未亡人がいる場合、その家族も引き取り、子をもうけ、その子に後を継がせる責任がありました。家を耐えさせないための制度です。ナオミは、ルツとボアズの出会いの背後に神の御手を感じました。そこで、ナオミはルツに思い切った手段を命じました。それは、ルツにボアズに求婚させる手段でした。ナオミはルツに晴れ着を着せ、夜、ボアズの寝る寝所に忍び込むように命じました。現代で考えれば、はしたない行為ですが、ナオミはルツとボアズを結婚させるために強硬手段に出たのです。しかし、それは神とボアズを信じての行為でした。

ルツはナオミに言われたようにボアズの寝台に入り、彼の足もとに身を寄せました。驚いたボアズにルツは言いました。3章9節「私はあなたのはしためルツです。あなたの覆いを、あなたのはしための上に広げてください。あなたは買戻しの権利のある親類です。」10節11節「ボアズは言った。『娘さん、主があなたを祝福されるように。あなたが示した、今回の誠実さは、先の誠実さにまさっています。あなたは、貧しい者でも富んだ者でも、若い男の後を追いかけませんでした。娘さん、もう恐れる必要はありません。あなたが言うことはすべてしてあげましょう。この町の人々はみな、あなたがしっかりした女であることを知っています。』」ボアズは彼女の行動の意味を悟り、彼女との結婚の準備に動きました。まず、彼は、ルツとの結婚のために、自分よりエリメレクに近い親族と交渉し、正式にルツと結婚をする権利を得ました。そしてルツに結婚を申し出たのです。二人は結婚し子が生まれオベデと名が付けられました。そして、オベデからエッサイが生まれ、エッサイからダビデ王が生まれたのです。

先週、人生には山あり谷ありと申しました。まさに、ナオミの人生は山あり谷ありの人生でした。夫を失い、二人の息子を失うという悲しみの中にありました。それでもナオミは神から離れませんでした。そして、ナオミがベツレヘムに帰る決心をしたとき、神はこのナオミの決心を空しくされませんでした。神は彼女とルツの幸せのためにボアズを備えてくださったのです。パウロはコリント第一の手紙10章13節でこのように述べています。「あなたがたが経験した試練はみな、人の知らないものではありません。神は真実な方です。あなたがたを耐えられない試練にあわせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えていてくださいます。」ボアズはまさに、神によってルツとナオミに備えられた人物でした。神は私たちにもふさわしい助け手(祝福)を備えてくださいます。状況がどうであっても神を信頼し、神にすべてをゆだねて神と共に歩みましょう。