「ただ神の憐みのゆえに」創世記19:1-22 金田洋介牧師
先週はロトと彼が住むソドムの町の為に必死にとりなすアブラハムの姿を見ました。ソドムに正しい人が10人いれば神の裁きから救われます。果たして結果は…。
Ⅰ.罪に蝕まれたソドム
二人の御使いがソドムに到着しました。すると町の門にいたロトが彼らを見つけると、伏して拝し、自宅に招きます。ところが、町中から男たちがロトの家に押し寄せ、家を取り囲みました。おぞましい話ですが、ロトの家に招かれた二人に性的な暴力を加えようとやってきたのです。このようなことが公然となされようとしているところに、この町の人々の罪深さが分かります。この後、御使いがソドムに神の裁きが降ることをロトに告げます。ソドムの町には正しい人が10人もいなかったのです。
Ⅱ.ソドムに影響されたロト
はじめロトはソドムから離れた所に住んでいましたが、今では町に住み、門のところに座っています(1節)。これはロトが町の有力者の一人になっていたことを意味しますが、彼が御使いたちを守ろうとしていることから、完全に悪に染まっていたわけではないようです。しかし、神の裁きが迫っているにもかかわず、彼は逃げるのをためらいました(16節)。ソドムの生活に、ロトも少なからず影響を受けていたようです。イエスは「あなたの宝のあるところに、あなたの心もある」「神と富とに仕えることはできない」と言われました。肉の思いと神の言葉に揺れるロトの姿は、私たちも同じではないでしょうか。「この世と調子をあわせてはいけません。」ローマ12:2
Ⅲ.ただ神の憐みのゆえに
御使いたちは、逃げることをためらうロト一家の手を掴み、彼らを助け出しました。すると、天から硫黄と火がくだり、ソドムとゴモラの町の全てを滅ぼし尽くしたのです。ところが、御使いの命令を破ったロトの妻は塩の柱になり(26節)、ロトの二人の娘たちは、人間的な考えと判断の末、父によって子どもを残し、彼女たちの子孫が後のアンモン人、モアブ人としてイスラエルを悩ませることになります。何とも後味の悪い結末です。しかし神は、アブラハムのとりなしの故にロトを救ったとあります(27~29節)。さらには、モアブの子孫からルツが生まれ、ひ孫にダビデ、ダビデの子孫からマリアの夫ヨセフが誕生します。彼のとりなしは無駄ではなかったのです!
憐み深い神は、私たち人間のどうしようもない罪を贖って下さったお方です。神の憐みによって救われた者として、日々、他者の為にとりなし祈って参りましょう。