2021年9月26日 主日礼拝メッセージ

「天と地をつなぐ梯子」創世記28章10~22節 金田洋介師 

 

今週から再び創世記に戻ります。アブラハムからイサクへと受け継がれた神の祝福は、ヤコブへと引き継がれます。2週に渡ってヤコブにスポットを当てます。

Ⅰ.ヤコブの状況~人生のどん底にいたヤコブ~

まずヤコブのこの時の状況を確認しましょう。彼はまさに人生のどん底にいました。何故そのような状況に追いやられたのでしょうか。2つの理由があります。1つ目は、兄エサウの長子の権利を巧妙に奪い取ったことです(25:29-33)。彼は双子で、エサウという兄がいました。ある日、ヤコブが煮物を作っていると、丁度、エサウが狩りから帰って来ました。彼がヤコブの煮物を欲しがると、ヤコブは煮物と引き換えにエサウの長子の権利(父の遺産の2倍を受ける権利)を求めます。エサウは空腹のあまり、その権利を簡単に譲ってしまいました。2つ目は、父イサクをだまして兄エサウが受けるはずの祝福をヤコブが奪い取ったという事件です(27:1~)。これは父イサクと母リベカも絡む、イサク一家に起こった痛みの多い出来事でした。一度ならず二度も押しのけられたエサウは、ヤコブを殺害することを心に決めます。そんな兄の心を知ったヤコブは、叔父ラバンのもとに逃げることになりました。財産どころか何一つ持たす、独りぼっちのヤコブ。彼は野宿をし、石を枕にして寝ました。自分で招いたこととはいえ惨めな姿です。

Ⅱ.ヤコブの見た夢~天と地をつなぐ梯子~ 28:12-15

その夜、ヤコブは不思議な夢を見ました。それは、梯子が地から天に向かって立っていて、神の使い達がその梯子を伝って上り下りしているという夢です。さらに驚いたことに、神様ご自身が下りて来られ、落ち込むヤコブに近付き、アブラハム、イサクと同じ祝福の言葉を与えて下さったのです(13-15)。今ヤコブが置かれている状況は、彼自身が招いた結果です。神様の時と方法を待ちきれず、自分勝手な考えで行動したことによって窮地に追いやられました。まさに自業自得です。ところが神様は、彼を見捨てるどころか、神様ご自身が約束されたことを全うするというのです。夢から覚めたヤコブは、アブラハム、イサクの神様を、自分の神様として礼拝しました。神様を畏れ敬う者に変わったのです。

天と地をつなぐ梯子を下りて、ヤコブに現れて下さった神様は、人間イエスとなって私たちのところに来て下さいました。そればかりか、さらに深い黄泉にまで降り、私たちの罪を贖って下さったのです。神様のおられる天と、私たちのいる地は、このイエス様によってつながれています。私たちはいつでも神様に近付くことができ、神様の方からも近付いて下さいます。この身に余る恵みに感謝しつつ、日常生活の中で神様の御力を体験させていただきましょう。「私のために地上に降り、黄泉にまで降られた神様、私の日常生活の中にご自身を現わし、素晴らしいことを行って下さい。」と積極的に祈るのです。必ず、神様はご自身を現わして下さいます。信じ求めてこの一週間を過ごしましょう。

熊本真愛教会では、毎週講壇にお花が活けられています。
今週のお花は、ユリ、カーネーション、リンドウ、トルコキキョウ、紫陽花です。