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祈祷会メッセージとお祈りの課題

ルツとイスラエルの贖いの物語

主があなたのしたことに報いてくださるように。また、あなたがその翼の下に避け所を求めて来たイスラエルの神、主から、豊かな報いがあるように。 ルツ2:12

今日は、通読箇所の順番から言えば、Iテサロニケになりますが、ルツ記を開く機会が無くなってしまうので、ルツ記を開きたいと思います。テサロニケは、来週開きます。

ルツ記は聖書の中でもとても短い物語ですが、特に温かみのある祝福の物語です。神様の救いの業をよく表している物語ではないでしょうか。ルツ記の著者はユダヤの伝承によればサムエルとされていますがよく分かっていません。いずれにしても最後にダビデについての事が記されているので、ダビデが王位を継ぐことが決まってから書かれた書物と思われます。もしかしたらサムエルがエッサイに会いに行った時に、エッサイからエッサイの祖父にあたるボアズ、ルツについての神様からの大いなる祝福の話を聞いたのかもしれません。ルツ記の始まりは「さばきつかさが治めていたころ(1:1)」つまり士師記の時代、「ききんがあった(1:1)」等の記述があり、士師記から続けて読んでいた者に対して、暗い影をほのめかしています。人々がそれぞれ自分の目に正しいと見えることを行っていた時代、イスラエルは混とんとした状態にありました。ききんもあってエリメレクとナオミの家族は、自分たちの家と相続地があるベツレヘムを離れることにしたのです。これは相当な決断であったと思います。しかしエリメレクとナオミが信仰を捨てたわけではないことは物語を読むとよくわかります。異教の地にあって決して他宗教の方々と衝突することなく、しなやかに信仰を守り通していることがルツのセリフから分かります。ルツはもともとは異教徒でしたが、ナオミに対して、「あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です(1:16)」と告白します。エリメレクとナオミの信仰生活がルツに良い影響を与えていました。

ナオミとルツはそれぞれ息子、夫を失い、やもめとなった二人だけでベツレヘムに帰ってきます。ベツレヘムにはやもめを顧みるための神様からの律法がありました。神様のあわれみにすがって生きることにしたのです。2:12の言葉で言えば神様の翼の下に避け所を求めてきました。神様はそんなナオミとルツを顧みて下さり、大きな祝福を与えてくださいます。ボアズとの出会い、そして結婚に導かれていくことです。ボアズはルツを買い戻したと聖書に記されています。これは「買い戻し」という当時のイスラエルの親類を守るための律法です。親類の家に跡取りがいなくなり、家も土地も失われてしまいそうになっている家を、他の第三者の手に渡ってしまう前に、親類が助けるという律法です。この買い戻しをヘブル語ではゴーエールと言い、これが「贖い」の語源になっています。聖書が教える神様の贖い、救いとは、罪のゆえに失われそうになっている私たちを、神様が十字架という犠牲をもって買い戻して下さり、神様と私たちが家族になるという恵みなのです。

ルツ記は神様のあわれみを求めてきたルツとナオミの家族が、買い戻されて祝福を受ける物語です。またダビデに関わっていることを示唆することで、イスラエルという民族全体も神様によって贖われていることを伝えています。士師記のような混沌とした時代から、神様は働いていてくださって、ダビデという誠実な王を与えてイスラエルの信仰と国を再建してくださいました。私たちにも一人一人に神様が贖って下さった物語があると思います。感謝してこれからも信仰生活に励みたいと思います。

お祈りの課題

  • 昭島教会に集っておられる方々、ご家族のために
  • 1/29交換講壇礼拝、2/1南大沢との親睦祈祷会、2/12神学生支援デーのために
  • 年末年始に久しぶりに来られた方々、新しく来られた方々のために
  • 守谷教会のために