カテゴリー
祈祷会メッセージとお祈りの課題

揺れ動く民に近づいてくださる神様

その女はエリヤに言った。「今、私はあなたが神の人であり、あなたの口にある主のことばが真実であることを知りました。」
I列王記17:24

イスラエルの王ソロモンは晩年、神様から心が離れてしまいました。続くレハブアム王の時代に王様の神様離れは深刻になり、王国も引き裂かれてしまいます。イスラエルは北イスラエル王国と南ユダ王国は分裂し二度と一つとなることはありませんでした。列王記は続けてきたイスラエル王国、南ユダ王国の王たちを次々と列挙しています。特に北イスラエル王国は不安定な時代ですべての王が神様に背き、クーデターに次ぐクーデターによって王が交代していきました。北イスラエルの王アハブはそれまでの王よりも最も神様の前に悪を行ったと記されています。彼は神様への祭壇を破壊し、代わりにバアルやアシェラなどの他の神々への信仰を国民に強要しました。そのような時に突然現れたのが預言者エリヤです。

エリヤは神様のことばをアハブに宣言しました。2, 3年の間は雨が降らなくなる。そしてその言葉どおり雨が全く降らなくなり、作物は実らず、北イスラエルは苦しい時代を迎えます。この時代、本当に苦しかったのはイスラエルの民一人ひとりであったと思います。王たちによってもたらされた信仰的な混乱と雨が降らないことによる食料的な混乱が襲ってきているのです。そのような思いはツァレファテの女性(17:12)や、エリヤの言葉に対する国民の沈黙(18:21)からもうかがえます。ツァレファテの女性は、残り少なくなった食べ物を食べて死のうとしていました。何を信じていいかもわからず、食べ物もなくなり、ただ悩みの内に死のうとしています。また「いつまでどっちつかずによろめいているのか」というエリヤの言葉に対してイスラエルの国民は沈黙しました。どっちについても死ぬんだろうという不安と恐怖から、ただ苦しい現実の前に沈黙するしかない国民の様子が描かれています。このような混沌とした時代に、真の神様への信仰を貫いて生きるのはとても勇気のいることです。おそらく人間はそこまで強くはありません。

神様はこのような困難の時代に、とても身近に働き、大きな力を発揮される方です。エリヤも人間ですから食べ物が無くては死んでしまいます。神様はしばらく、ケリテ川のほとりでカラスによってエリヤを養いました。神様は、雨の降らない2, 3年の間、そのまま人知れずにエリヤを養う事も可能でした。しかし神様はエリヤをツァレファテの女性の許へ連れて行きます。このツァレファテの女性はイスラエルの国民の象徴です。まことの神様を信じていたつもりだけれども、神様の前に絶対に正しくはありえない、だから今の苦しい現実は神様からの罰かもしれないと思っている女性です(17:18参照)。アハブ王の宮殿にいる預言者オバデヤも同じような事を言っています(18:9参照)。私たちの信仰はエリヤのように強固なものではないかもしれません。だから苦しい現実があると苦しい現実と信仰との間で揺れ動いてしまいます。しかし神様はそのようなツァレファテの女性と共に歩もうとされます。エリヤを送り、わずかであったかめの中の粉と、つぼの中の油が尽きないという奇跡を起こしてくださいました。さらに一人息子がよみがえるという奇跡も起こしてくださいました。周りの苦しい現実は変わっていません。それは確かに真の神様を捨てたイスラエルの国全体の罪の表れかもしれません。しかしそこから救い出そうとしてくださるのも神様です。ツァレファテの女性は苦しい現実の中で神様の救いを体験しました。この後、聖書はこの女性の事を記してはいませんが、おそらくこの女性は一生涯神様への信仰を貫いたと思います。北イスラエル王国は宗教的には混乱した国ですが、その中でしっかりと神様と共に歩むことができたであろうと思います。

お祈りの課題
  • 昭島教会に集う方々、ご家族のために
  • 4, 5月に新しく来られた方々、久しぶりに来られた方々のために
  • 聖書の学び会のために
  • スマイル合唱団のために
  • 教団の神学生のために
  • 南大沢チャペルのために