教会暦(きょうかいれき/Church Year)はキリスト教で用いられている暦で、ルーテル教会では教会暦に従って毎週の礼拝を行ております。
教会暦は最初から完成していたものでは無く、歴史的に発展して形成されました。教会暦の発端は復活祭です。神の子イエス・キリストが十字架に掛けられて死に、お墓に葬られた時、弟子たちは誰一人復活するとは思っていませんでした。ところが預言通り三日目の日曜日の夜明け前に復活されたのです。この御復活に、弟子たちはまず驚き、次に喜びが爆発し、その喜びが沈静化せず、復活された日曜日を毎週お祝いすることが始まったのです。イエス・キリストの復活された日が、ユダヤ教の過ぎ越しの祭りの次の日でした。月の満ち欠けを基準とする太陰暦の過ぎ越しの祭りを太陽暦に換算して、春分の日の次の満月の次の日曜日を復活祭とすることになりました。ですから復活祭を基準とする四旬節や聖霊降臨祭などの日付が年によって移動するのです。一方、全聖徒主日や待降節やクリスマスなどの日付の移動しない祝日もあります。
教会暦は「降誕の時節」「復活の時節」「教会の時節」の3つに分かれています。日曜日は主日(しゅじつ)と呼び、主のご復活をお祝いする小祝日です。
- 1.降誕の時節 The Time of Christmas
- 2.復活の時節 The Time of Easter
- 3.教会の時節 The Time of the Church
3. 教会の時節 The Time of the Church
聖霊降臨後(せいれいこうりんご)/The Season after Pentecost
- 三位一体主日(さんみいったいしゅじつ/The Holy Trinity) 典礼色:白
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聖霊降臨祭の1週間後の日曜日は「三位一体主日」です。 「三位一体」はキリスト教の神を表す言葉として神学者テルトゥリアヌス(AD160頃-222頃)によって造られた神学用語で、その神とは、御父(みちち:父なる神)と、御子(みこ:イエス・キリスト)と、御霊(みたま:聖霊なる神)の、三神(三位格:さんいかく)のはっきりと区別される神がおられ、しかもそれぞれの神が全く同じ実体(本質、あるいは存在)を持っておられる一人の神だとするものです。ですから位格(人格に相当するもの)から見たら、三神のはっきりと区別できる神がおられのに、実体から見たらただ一人の神がおられることを表す言葉が三位一体です。
- 聖霊降臨後主日(せいりんこうりんご/Sunday after Pentecost) 典礼色:緑
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三位一体主日の次の日曜日から、待降節の一週間前までは聖霊降臨後主日となります。この間に聖霊降臨後第二主日から聖霊降臨後最終主日まであります。
- 宗教改革記念日(しゅうきょうかいかくきねんび/Reformation Day) 典礼色:赤
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10月31日は宗教改革記念日です。ドイツのマルティン・ルター博士(1483-1546)が、祝日である全聖徒の日(11月1日)の前日、1517年10月31日に、ヴィッテンベルク市にある城教会の扉に討論を呼びかける「95ヶ条の提題」を張り出したことが発端となり、宗教改革が起こりました。詳しくは「ルーテル教会とは」のページをご覧ください。
- 全聖徒の日(ぜんせいとのひ/All Saints' Day) 典礼色:白
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11月1日の全聖徒の日は、救い主イエス・キリストを信じて聖徒(クリスチャン)とされ、既に神の御もとに召された兄弟姉妹たちと共に、私たちも聖徒とされ、天国に入ることの出来る者とされたことを喜び祝う日です。全聖徒主日から待降節までの4週間、教会暦は終末節に入ります。この終末節は、この世が最後の日への途上にあることを、私たちが思い起こすために設けられています。 この世は永遠に続くように見えますが、形ある物は皆滅びるように、形あるこの世とて例外ではありません。イエス・キリストは、「この天地は滅び去ります。」(マタイ24:35)と言われました。そしてその日は突然やって来て、全ての人は神の裁きの前に立たされます。ですから、その最後の日までに、多くの人が救い主イエス・キリストを信じて救われ、『命の書』にあなたの名前も記されるようにと、神は御子イエス・キリストを遣わしてくださいました。