2020年9月6日 主日礼拝メッセージ

「イエスに褒められた異邦人の女性」 マタイ15章21~28節  金田洋介牧師

 異邦人の女性がイエスに助けを求めてやって来たこの出来事は、想定外のことで溢れています。イエスと異邦人の女性の姿に注目します。

①ツロとシドンの地方に行かれたイエス。ツロとシドンは旧約聖書では罪深い地方とされ、ユダヤ人ならば避けるところですが、イエスは敢えて向かわれました。

イエスに助けを求めるカナン人の女性。カナン人とユダヤ人が交流がない中で、この女性はイエスに助けを求めました。彼女の切羽詰まった状況が伺えます。

イエスに向かって叫んだ女性の言葉。彼女は「ダビデの子よ」と叫びます。これは救い主を意味します。異邦人でありながらイエスを信じ、助けを求めたのです。

一言も答えないイエス。イエスは、助けを求める彼女に一言もお答えになりませんでした。これは大変珍しく、聖書ではこの時だけです。まさに、想定外です。

⑤女性の願いを断ったイエス。イエスは救いはまず、ユダヤ人に与えられるべきだ」と彼女の願いを聞かれませんでした。これまで弟子たちを遣わす際にも、「失われた羊(ユダヤ人)たち」を優先されました。しかし、彼女は諦めません。

女性を子犬と呼ばれるイエス。子犬とは家の中で飼われている犬を指します。「子どもたち(ユダヤ人)を差し置いて、子犬(異邦人)にパン(あらゆる意味での祝福)を与えるのは良くない」という意味です。家族の一員である異邦人も、祝福に与る神の計画があるけれども、まだ時が満ちていないのです。

イエスの言葉を認めた女性。「女性はその通りです」と謙遜に自分の立場を認めつつも、「子犬であっても主人の食卓から落ちるパンくずをいただきます」と、ほんの僅かであっても、恵み(憐み)に与れれば十分なのだと大胆に求めました。

カナンの女性の信仰を褒めたイエス。イエスは「あなたの信仰は立派です」と褒められました。十二弟子ですら、そのように褒められることはありません。彼女の願いは聞き入れられ、悪霊に苦しめられていた娘は全く癒されました。

思うようにいかない現実、想定外の困難に悩まされると思いますが、どんなことがあってもイエスのお言葉を信じ、ひたすら求める続ける信仰を持とうではありませんか。あなたがイエスのお答えをその目で見させていただくその時まで。

熊本真愛教会では、毎週講壇にお花が活けられています。
今週のお花は、ひまわり、アンティーチョーク、ゆり、トルコキキョウです。