「さあ、天を見上げなさい」創世記15章1~6節 金田洋介牧師
神の示す地に進み、その旅路で様々なことを体験したアブラム。神と共に歩むことによって深められていく彼の信仰と神との関係は、新しい段階を迎えるのです。
①語りかける神様
神は幻の内にアブラムに語り、彼に与えられた祝福の計画が揺るがないことを明確にしています(1節)。しかし、アブラムは自分の内にある恐れと焦りを正直に告白します(2〜3節)。彼の言葉から、自分の財産を受け継ぐ子どもが与えられないことへのやるせなさと、神への信仰が揺らいでいる様子が伺えます。私達も、しばしばこのような思いに陥ります。「御言葉を信じたのに、恵みが祝福が一向に実現しない…。どうして?」と。神に問うアブラムの姿は、私達の姿でもあるように思うのです。
②答える神様
恐れ、焦るアブラムに対し、神のご計画は一向に揺るぎません。アブラムの子が彼の跡を継ぐと言うのです(4節)。人間の常識では不可能と思えることも、神ご自身が責任をもって実現して下さるのです。ここで、神とアブラムとの関係が変化していることに気付きます。これまでは、神がアブラムに語りかけて来られましたが、彼の方からも神に語りかけています。神との関係が、深まっているからです。自分の心で疑いや迷いをあれこれ考えるのでは無く、解決は神から与えられることを信じ、神に思いを申し上げる事が大切です。神は必ず応答して下さいます。
③連れ出す神様
「主は、彼を外に連れ出して…(5節)」。とても魅力的な言葉です。肩を抱くように、背中を押し出すように、神はアブラムを外に連れ出し、「さあ、天を見上げなさい」と言われました。アブラムが天を見上げると、満天の星が空いっぱいに広がっていました。「星を数えられるなら数えてみなさい。あなたの子孫は、このようになる」そう神は言われました。アブラハムは、神の言葉を信じました(信じたはアーメンと同じ意)。「神よ、あなたの言葉は真実(アーメン)です。」ということです。現実はまだ何も動いていません。しかし、アブラムは信仰によって、神の約束を信じたのです。
疑いや迷い、怒りや憂いに心が支配されそうになったら、アブラムが見た天を見上げ、「神は私の家族に、友人に、私たちの全ての領域に、素晴らしいことを行って下さると信じます。アーメンです。」と告白しようではありませんか。そして、神が実現して下さる祝福に与る者とさせていただきましょう。