「民の嘆きと神の憐み」民数記13章32節~14章4節、14章29節~31節 金田洋介牧師
民数記シリーズ6回目です。イスラエルの民が目的地カナンに到着するまでには40年という月日を要します。なぜそんな長い年月がかかってしまったのか、原因の出来事が本日の箇所ですが、そこに至るまでの流れを見ていきましょう。
・偵察隊の選出と派遣 13章1~31節
神様の命により、カナンの地の偵察のためイスラエル各部族から一名ずつ、12人が選ばれました。偵察したところ、カナンの地は神様が言われた通りの素晴らしい土地でした。しかし、巨人の子孫や屈強な民族がいたので、ヨシュアとカレブを除く10人はカナンの地を悪く言いふらし、民を躓かせたのです。
・民の嘆き 14章1~26節
民は動揺し泣き叫びました。民の不安と恐れはモーセとアロンへの批判、神様に対しての不満となって爆発します。神様は、私たちを荒野で殺すために連れ出したのだ、エジプトに帰ろう、と。神様の愛を拒み、否定してしまったのです。
・ヨシュアとカレブの訴え 14章7~26節
混乱する民に向かいヨシュアとカレブは必死に訴えます。のちにモーセの後継者となるヨシュア。そしてカレブ、この二人だけが神様への絶大な信頼を訴えました。大きな困難に直面した時、いかに日頃から神様と共に生き、共に歩んでいるかが問われます。
・神の怒りとモーセのとりなし 14章10~26節
神様は、不信仰な民を疫病によって滅ぼし、モーセから新しい神の民を起こそうと言われました。モーセは必死で民の為にとりなします。神様は疫病で民を滅ぼすことを思い直されましたが、罪の裁きが告げられることになります。
・神の裁き、神の憐れみ 14章27~35節
神様は、民が「この荒野で死んでいたらよかった」という呟きを聞いておられました。40日間の偵察の一日を一年として、40年間荒野を彷徨い、彼らの呟き通り荒野で死ぬことが定められたのでした。しかし、その40年間、マナは振り、水は与えられ、足は腫れず服は擦り切れませんでした。神様は民の子どもたちはカナンに入ることができると宣言されたのです。神様は愛と忍耐をもって彼らを導き、訓練されることを決心されました。民の罪と神様の愛を憐れみを自らに当てはめつつ、生きる限り神様の御手を離さず歩もうではありませんか。