「さあ、再建しよう」ネヘミヤ記 2章1~8節、17~18節 金田洋介牧師
バビロン捕囚から100数十年後、ペルシアのアルタクセルクセス王の献酌官だったネヘミヤは、荒廃した故郷エルサレムと、すでに帰還していた同胞たちの窮状を知りました。彼は心を痛めながら神様の導きを祈り求めていました。すると四か月後、ネヘミヤにチャンスがやってきました。王の給仕の際、エルサレム帰還と城壁再建の願いを告白する機会を得たのです。そもそも、外国人でもあるネヘミヤが献酌官をしていることも驚きですが、王が彼の顔色を見て心配して声をかけ、彼が自分の思いを王に直接告げることも異例のことであったと思います。神様の導き以外考えられません。この絶好機を得たネヘミヤは、何よりも神様への祈りを最優先にしました。それは数秒の短い祈りだったと思われますが、彼の普段の生活の中心に神様への祈りにあったからでしょう。私たちも見習うべき姿勢です。祈りの後、ネヘミヤが故郷への帰還と城壁の再建を王に願うと、帰還の許可をもらうことができたばかりか、門や城壁再建の資材をも与えられたのです。
帰還したネヘミヤは同胞たちを励ましますが、再建の為の建築計画であるとか、敵の妨害に対する対策などについてなどではなく、神様がネヘミヤ自身にして下さった事々、そして、国の最高権力者である王の心をも動かされた、神様の力と助けを証したのです。つまり、私たちイスラエルの民と共におられる神様は全能であり、どんな困難な道も開いて下さるお方、ご自身の御言葉の約束を実現されるお方であることを民に伝え、神様を信じ、神様を見上げるよう語ったのです。すると民の心は突き動かされて「さあ、再建しよう」と、神様を信じる信仰によって立ち上がることができました。この後、幾多の妨害を乗り越え、100数十年間、再建しようにもできなかった城壁を、僅か52日で完成させたのです。
神様は「あなたにも崩れたまま放置している城壁はないか?」と語っておられます。崩れたままの城壁とは、日頃から気付いていながら、向き合おうとしないで避けてきた課題や問題のことです。「何とかしなければ」と思いながらそのまま放置している、日常生活、人間関係、信仰生活、自分自身の性格や性質についての課題や問題がきっとあるはずです。神様は気付いていながらどうすることもできない私たちを励まし、力を与え、一緒に取り組んで下さる愛のお方です。主の年2023年を迎えた私たち。イスラエルの民が城壁の岩を一つずつ積み上げていったように、私たち一人一人、それぞれの崩れた城壁を再建していく一年でありたいのです。神様はあなたに解決と回復の未来を用意しておられます。さあ、再建にとりかかろう!