聖書箇所:マタイの福音書4章12−17節

説教題:『闇の中に輝く光』

バプテスマのヨハネの投獄(悲劇的な出来事)をきっかけに、主イエス・キリストの公生涯が本格的に始まりました(4:12)。イエス様は危険を避けるためにユダヤを離れ、ナザレからガリラヤ地方のカペナウムに移り住まれましたが、これは単なる移動ではなく、預言者イザヤを通して語られた神の救いの御計画の成就でした(4:13-14)。

ガリラヤ地方は、かつてアッシリアの侵略により異邦人が混住し、「異邦人のガリラヤ」と蔑まれ、「闇の中に座っていた民」「死の陰の地」と見なされていた地域です(4:15-16)。イエス様がそのような最も暗い場所、疎外された人々のところから宣教を始められたことは、神様の救いが最も絶望的な人々に向けられているという福音の核心を示しています。

イエス様が最初にもたらされたメッセージは、ヨハネと同じく「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから」でした(4:17)。ギリシャ語の「メタノエオー」が意味するように、悔い改めとは単なる後悔ではなく、自己中心的な生き方から神中心の生き方への根本的な方向転換です。イエス様の到来によって「天の御国」(神の支配)はすでに現実のものとして到来しているため、私たちは光である主を受け入れ、この招きに応答し、暗闇から光へ、死からいのちへと喜んで転換するべきなのです。

私たちは皆、罪や恐れ、絶望といった暗闇の中にいるガリラヤ地方の人々と同じ立場にいます。自分の力では解決できない問題や、人生の先の見えない状況にいるかもしれません。

しかし、主イエス・キリストは、宗教的な中心地エルサレムではなく、まさにその最も暗い場所である「異邦人のガリラヤ」に、大きな光として来てくださったお方です。神様の救いは、私たちの身分や功績に関係なく、最も助けを必要としている者に、暗闇の中にいる人々に届けられているのです。

イエス様の最初のメッセージ「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから」は、私たちへの愛に満ちた招きです。悔い改めとは、単に過去を後悔することではなく、暗闇に背を向け、光であるイエス様の方へと、生き方全体を方向転換することです。なぜなら、神様の祝福と支配(天の御国)は、イエス様の到来と共に、すでに私たちの目の前に現実のものとして近づいているからです。

この光の到来に応答し、方向転換することは、重荷ではなく、死からいのちへ、絶望から希望への転換という、最大の恵みを受け取ることになるのです。

私たちを照らすために来てくださった光であるイエス様を受け入れ、その招きに応答し、神様の御国へと歩み出しましょう。