〜恵みに感謝する習慣をつけよう〜

今月は世界食料デー（１０/１６）月間ということで、日本各地でそれに関する大会が行われています。鹿児島でも10月13日に世界食料デー大会が行われましたが、私はその後も学校で『世界の食糧事情と飢餓について』の出前授業（中学校1校、小学校2校）に地域での報告会が入っていて、今月は結構忙しく駆け回っております。

学校での出前授業のときは、お話に入る前に皆さんに一つの質問をします。今回はその質問に関してお話させて頂きたいと思います。

その質問とは、『あなたはお金持ちですか、それとも貧しい？』という一風変わったものです。

まず、5つのジャンルに分けて自分が該当すると思ったところで手を上げてもらうのですが、近年日本でも6人にひとりが貧困家庭と言われているので、質問には注意を払っております。

その5つのジャンルとは、①大金持ち、②金持ち、③普通、④貧しい、⑤大変貧しいの中から一つ選んでもらうのですが、あくまでも感覚で、自分が日頃どう感じているかで判断してくださいと念を押します。

• 自分が大金持ちだと思う人。誰も手を上げません。
• 自分は少し金持ちだなと思う人。これもまず誰も手を上げません。
• 自分は金持ちでもないし、貧しくもない、ま普通かなと思う人。ここでほとんど全員が手をあげます。
• 自分は少し貧しいと思う人。これにはパラパラと手が上がります。
• さて、自分はとっても貧しいと思う人。今から世界の飢餓について学ぶということを知っているので、誰も手を上げません。

この結果はあくまでも、どう感じているかの感覚による判断であって、感覚は非常に近視眼的な視点で決まります。日本の中でどうか、あるいは住んでる地域でどうか、更には自分の給料が少し上がった、下がったというだけで回答が動いてきます。

しかし、現実は世界の中で自分がどういう位置づけにいるのかが分からないといけないと思います。そこで、質問します。「世界を先進国と開発途上国に分けると、日本はどちらだと思いますか？」「先進国だと思います。」と答えが帰ってきます。

そこで、「世界で豊かな先進国は世界の４分の1ほどだと思います。その中で日本は裕福な方だと思いますか？」と聞くと、あちこちでボソボソ語る声が聞こえます。「そうです、日本は世界で第３の経済大国です。世界には貧しい国がたくさんあります。」

つまり世界的に見たら、日本人皆は①の大金持ちの所で手を上げて良いほどなのです。私たちは自分がどれほど恵まれた生活をしているかはっきり知るべきです。また、そのことに感謝するべきです。

現在、世界の９人に一人は絶えずお腹を空かせて満足に食べられない生活を強いられているのです。それに比べると、皆は良いものをお腹いっぱい食べられて、素敵な服を着られて、素敵な家に住んで、車や電車に乗られて快適な生活が出来ています。

それなのに、もし足りないものばかりを見て、あれが欲しいこれが欲しいといつも無い物ねだりをしていたら、いつも不平不満ばかりで、喜んで生活できません。恵みに感謝する習慣をつけましょう。

金銭を愛する者は金銭に満足しない。富を愛する者は収益に満足しない。これもまた、むなしい。・・・働く者は、少し食べても多く食べても、ここちよく眠る。富む者は、満腹しても、安眠をとどめられる。伝道者５：１０，１２