思いもしなかった台風の中でのドライブ

公開済み 9月 20, 2020 by 管理人 in アドナイ・エレ

~新しい台風の思いで~

先日、超大型台風の台風10号が九州地方に接近してきました。この台風が太平洋上で発生した当初から、昨年関東地方を襲い大きな被害を出した房総半島台風を超え、観測史上最大の1959年伊勢湾台風並みの被害が予想されると気象庁が警告を発していました。

この台風は暖かい海水温で成長をし続け、九州地方に到達するころには風速80メートルほどが予想され、家屋が倒壊するほどの被害が起きるという事で、台風が近づいてくるにつれて緊張感が高まってきました。

徐々に風雨が強まってくると、市役所の防災課からは避難指示の警報が出たので、高齢者は避難を始めるようにとの放送が流れました。私たち夫婦も高齢者仲間に入りますが、近くの川が氾濫しても2階にいたら大丈夫だろうと、どこも出ないで教会の2階の牧師宅で台風をやり過ごすことに決め、二人で台風被害が最小で済むように祈りました。

徐々に雨が強くなり、時々強い風が吹き始めたころ電話がなりました。「すみません。今喜入町のどこそこにいます。電車もバスも動かないので、そこで立ち往生しています。」とのことでした。

電話の主は経済的に苦しくなると時々教会に来て、「庭の草刈りをさせてください。」と願い、教会の草刈り機や鎌等の道具を使って草刈りをして、その報酬をもらって帰られる人でした。

この台風の中、放っておくわけにもいかず、彼から言われた場所に車で行ってみました。すると彼はびしょ濡れの姿で、国道沿いにある歯医者の軒先に立っていました。台風接近のさなかほとんど車の通りもありません。

私が彼のいるところに車を横付けすると、「すみません。」と言いながら濡れたまま車に乗り込みましたが、車のシートを濡らさない・汚さないようにシートカバー等を剥いでそっと座っていました。

車に乗り込むと、「今日は喜入の駅に泊まりますので、駅まで送ってください。」とのこと、超大型の台風が接近しているのに、駅に放っておくわけにいきません。「近くの避難所に送りましょうか?」というと、「避難所では住所を聞かれて、他所の町の人は入れません。」と言います。そんなことがあるのかなと思いながらも、彼のようにずぶ濡れの人が避難所に行ったら歓迎されないかもしれないとも思い、「お宅まで送りますから、近づいたら教えてください。」と言って、時々強い雨風に襲われながら、指宿方面に向かって走り続けました。

途中の道路には強風で折れた木の枝が散らばっています。指宿市内に入ると、彼も気を遣ったのか、「こちらの方が近道だから、こちらに行った方が良いですよ。」と海岸線を示します。私は車を買い替えたばかりで潮風が直接当たる海岸線はあまり走りたくないなとの思いがありましたが、なるべく早く私を解放して上げようとの彼の思いからかもしれないと、彼の言う道に入り走りました。しかし、しばらく行くと、台風のため行き止まりの看板が立てられていて結局はかなりの遠回りになってしました。

そのような状況下でも、片道約30分の道のりを無事彼を送り届けることができてホッとしました。その間、妻が心配して何度も電話をくれましたが、何事もなく往復して帰って来られました。

台風も多くの人の熱心な祈りに答えられたようで、急に勢力が衰えて、大きな被害もなく通過していきました。

すると、王は彼らに答えて言います。『まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。』マタイ25:40

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