～ 女の中に男が一人 ～

毎朝子供たちの登校の見守りをしていると、子供たちが男の子や女の子に関係なく、交差点で会ったら、楽しげに話しながら一緒に登校していきます。

また、下校途中も教会前の交差点で男の子と女の子たちが別れがたいのか集まって、仲良くしばらく話してから、それぞれ帰って行くのを見て微笑ましく思います。

一方、昭和の私たちの時代はこうはいきませんでした。今から約７０年前、私が小学２年生になったばかりの時のことです。それほど親しくしていなかった女の子から「今日、お友達が家に集まって一緒に宿題するんだけど来ない？」と誘われたことがありました。

一人で宿題するよりみんなと一緒にした方が、はかどるかなと思って、彼女の家に行くことにしました。学校の近くの彼女の家に行ってみると、５～６人の旧友が来ていましたが、みんな同じ学級の女の子たちでした。

男の子も来ていると思っていたので少しびっくりしましたが、とにかく一緒に宿題を終わらせてから、外に出て庭で鬼ごっこをして皆で遊びました。

すると、明くる日学校に行くと、上級生の男の子たちが私に向かって「女の中に男が一人、女の中に男が一人」と歌いながら言ってきたので驚きました。どうも学校の近くの家だったので皆に見られていたようです。

それで私は、そうなのか女の子と仲良くするのはまずいことなのだと思いました。そして、その後は誘われても行かないようになり、男同士で相撲やソフトボールをして遊ぶようになりました。

また、５～6年生の２年間受け持ってくださった先生は、相撲が大好きでクラスの男の子たちの番付表を作り、そして毎日私たちに相撲をさせて、その結果を自ら作られた星取表に書き込んでいました。※ちなみに私は東の大関でした。（ハハハ、どうでもいいか）

その先生が６年生の時、校外学習で学校の近くの海辺の砂浜に行きました。そして、学習後に先生が「今日は今から男女対抗の相撲大会をします。」と言われて、砂浜に円を描いて、男女から一人ずつ出て相撲を取らせ始めました。

どんどん自分の番が近づいてきます。順番を見ていると、どうも自分の相手は、クラスで１番人気のある女の子になりそうです。ここで下手して組み合ったりしたら大変だと思い、どういう風に相撲を取ったらいいのかドキドキしながら考えました。

その内に、ついに自分の番が回ってきました。土俵上に二人が呼び出されて、「ハッケヨ～イ。ノコッタ」と先生が言われました。素早く立ち上がった私はその女の子を突っ張って、突っ張って土俵の外に突き出しました。その時、彼女の悲しそうな顔が見えました。

それ以降も、私は男兄弟の中で育ったこともあって、女の人への優しい対応が今一つ分からないままで過ごしてきたように思います。高校のクラスは男子だけだったので、女性と話すこともなく過ごしました。

そして、大学に行っても５０人の男子寮に入って、顔は髭ボウボウで、汚い服を着ていたので、女学生と話したり付き合ったりすることもなく過ごしていました。そのような汚い格好の私を、今の妻が何とか綺麗にしてあげようと拾ってくれました。

今も、妻が選んで買ってくれた服を日々来ています。それで、外見は少しマシになりましたが、大切な心の方は主によって綺麗にしていただこうと思っています。

あなたがたは、以前は暗やみでしたが、今は、主にあって、光となりました。光の子どもらしく歩みなさい。──光の結ぶ実は、あらゆる善意と正義と真実なのです── そのためには、主に喜ばれることが何であるかを見分けなさい。エペソ５：８～１０