神様 義母を有難うございましたⅣ
〜母には母の順番がある〜
作:牧師夫人 佐多多視子
○母の順番篇
認知症の母を迎えて、戸惑うことも多々ありました。母には母の順番があるのだと考えさせられたことがあります。
私たち家族は義父が生存している時は数か月に1回程度訪問していました。父が亡くなってからは1~2週間に1度。また子供たちが帰鹿した時は必ず連れて行っていましたので、母の生活の様は大体解っているつもりでした。
ところが、一緒に生活して見ると、母には母の順番やこだわりがあることに気づかされました。朝食の準備ができると「お母さんごはんですよ。」と声をかけます。母は手と顔を洗い、拭いた後すぐテーブルに着くかと思っていると部屋に戻り、化粧水と乳液をつけてから、また手を洗って拭いてやっと座ります。
母のこの順番を飲み込めるまでストレスがかかりました。母の家に泊まった事も、我が家に泊まっていただいた事もなかったので、起床してからのこれらの順番を知りませんでした。
子供さんたちは時には姑さん宅に宿泊させていただいたりしていたら良いのではと思わされました。
○薬篇
母は皮膚が弱くてよくかぶれたりしていました。そして、そこがかゆくて爪でかくので、施設の病院でかゆみ止めの薬を出してくださいました。他の人は施設の人がうまく言って薬を飲ませることができるそうですが、薬嫌いの母は一筋縄ではいかない様でした。
家で飲ませる時も汁物に入れても一向に溶けません。金づちで割ろうとしても固くて割れません。そこでふと考えて、薬は水で飲むのでそうしてみようと思いやってみました。
スプーンに水を入れその中に薬を入れて置いておきました。すると、プーとふくれて柔らかくなっていました。「やったぁ、これで何とか薬をあげられる。」と喜びました。そして、これをご飯やサラダに混ぜて食べてもらいました。母は変な味だなぁという顔をしながらでも食べてくれました。
○帰ろうとする篇
ディサービスに通い始めた当初、施設の方で母が何度も玄関の方に行って帰ろうとするので困っておられる様子でした。そこで、厚紙に母に向けて手紙を書きました。
「お母さん、私たちは仕事で出掛けていて家にはおりませんので、午後4時に帰ってきてください。お待ちしております。洋明・多視子」それをデイサービスの方に渡しました。これで施設の方も母を説得しやすいだろうと思いました。その後、そのことでの苦労はありませんでした。
○食器篇
母は食器の中の模様を食物と思い、いつまでも箸でつついたり、食器をいつまでも洗っていたりするので、食器を全部無地のものに買い替えました。教会で一緒に食事をする時も教会の方も母の使う食器を無地のものにするように気遣って下さいました。
神と人との前に好意と聡明を得よ。心を尽くして主に拠り頼め。自分の悟りにたよるな。あなたの行く所どこにおいても、主を認めよ。そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。箴言3:4~6
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