世界で一番貧しい?大統領
〜「本当に貧しい人とは物を持たない人ではなく……〜
「世界で一番貧しい大統領」の愛称で知られる南米ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカさんが来日し、東京での記者会見のインタビューに答えて、真の幸せやテロ問題などについて、ご自身の考えを述べられました。
ムヒカさんはその柔和なお顔と物静かな対応とは裏腹に、革命分子として軍事政権下で13年間の投獄生活を経験され、ひどい拷問やわずかな食べ物しか与えられない個人独房で栄養失調になりつつも、真の幸せとは何か、国民のための政治の在り方等を考えさせられたそうです。
その後、彼は国民の支持を得て2010年から2015年まで、ウルグアイの大統領を務められるのですが、その間大統領公邸や公用車を使わず、農場で働きながら狭い農家で質素な暮らしを実践され、国民のための政治を目指されました。
ともすると地位や名誉、権力のみならず、贅沢な生活を送るために、政治家を志す人が少なからずおられる中で、ご自身の大統領としての給料の大半を貧しい人々に施す姿勢に、自分よりも国民の幸せを第1に考える真の政治家の姿を見たような気がしました。
国民の生活と掛け離れた豪華な生活をしながら、「国民のために」と言われても、もう一つしっくりこないものを感じていた者としては、このような政治家がおられたことに清々しさを感じ、また彼が言われた「金持ちが政治家になってはいけない。」という言葉も心に残りました。
ムヒカさんは東京での報道各社の集団インタビューに応じ、欧州などで相次ぐテロについて「深刻な現象。政治でもスポーツでも『熱狂』は危険なものだ」と語られたと新聞に書いてありました。
なるほど、政治の世界でも一人の人や一つの思想を熱狂的に支持するとき、周りが見えなくなって、それが間違っていても突進してしまう危険性があります。人にパーフェクトはありません。どんな人でも良い部分と欠点があります。人を盲信することは大変危険です。
鼻で息をする人間をたよりにするな。そんな者に、何の値うちがあろうか。イザヤ2:22
※どんな人間でも間違いは犯します。そこで、真に信頼できるものは神様だけですの意。
また、スポーツも過度に熱狂することは危険だと言われました。観客がスポーツ選手と一体感を持って応援することは良いことだと思いますが、スポーツを楽しむことを超えて熱狂的になることには問題があります。
また、小中学校の男の子の将来の夢の第1位がスポーツ選手になることだと言い、スポーツ少年団や部活に励みます。目標を持って努力することはとても素晴らしいことだと思います。しかし同時に、たくさんのスポーツ選手がそれぞれのスポーツで酷使する肢体にたくさんの故障を抱えながらプロで頑張っておられる姿に時々プロスポーツに疑問を感じることもあります。
また、ムヒカさんが以前国連演説で、「本当に貧しい人とは物を持たない人ではなく、たくさん持っていてもそれで満足しない人のことです。」と言われたことに共感致しました。まさしく、聖書はその危険性を進言しています。
しかし、満ち足りる心を伴う敬虔こそ、大きな利益を受ける道です。私たちは何一つこの世に持って来なかったし、また何一つ持って出ることもできません。衣食があれば、それで満足すべきです。金持ちになりたがる人たちは、誘惑とわなと、また人を滅びと破滅に投げ入れる、愚かで、有害な多くの欲とに陥ります。金銭を愛することが、あらゆる悪の根だからです。Ⅰテモテ6:6~10a
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