世界食料デー鹿児島大会報告
~そんなに食品ロスが?~
ついに長時間かけて準備してきた、第19回の世界食料デー鹿児島大会を恵みの内に実施することが出来ました。先の日曜日の午後は私たちの教会からも5名が参加して、総勢30名ほどで鹿児島の唯一の繁華街?天文館の2箇所で飢餓の街頭募金活動を行いました。
そして大会当日は、最初に音楽の贈り物として、音楽ゲスト;鹿児島大学男声合唱団「フロイデ・コール」OBをメンバーとする男声合唱団約50名と鹿児島市立少年合唱隊約30名とで、NPO法人鹿児島作曲協会主催のコンクールで募集した小中高等学校の児童生徒が作曲した作品6曲を歌ってくださいました。
小中学生の子供たちと60~80歳の大人による素晴らしい歌声に、大会に集った会衆が皆時を忘れて聞き入りました。
その後、鹿児島大学坂上潤一教授を講師として「世界の食料生産、飢餓の解消を目指して」と題して講演をいただきました。
先生は熱帯作物の研究を専門にしておられ、つい先日アフリカのウガンダから帰ってこられたばかりでした。先生はアフリカのニジェール国立農業研究所で長年教育指導をされておられて、世界の食料問題や世界の飢餓の状況にはとても詳しい方でした。
先生が指導しておられたニジェールの国立研修所の助手の方は先生の収入の30分の1ほどで7人の子供達を養っておられたと話されました。日本の経済水準の高さに比べ、アフリカの収入の低さには想像を絶するものがあることに驚きました。
先生のお話を伺いながら、私たちの僅かな募金でもアフリカにいくと、大きな金額になり、沢山の人々を助けられるのだと思いました。
また、ニジェールの識字率が20~30%と伺い、教育を受けられないことが貧困の一つの要因であると確信しました。そして、ニジェールに限らず開発途上国に住む子供達の教育のため、また彼等の自立支援のために捧げる必要を強く感じました。
先生は講演の中で、持ってこられたビスケット9枚を取り出されて、世界の生産状況と、食品ロスについてわかりやすく説明してくださいました。
まず、1枚を取り出して「これは生産ロス。生産現場で大きすぎ、小さすぎの規格外や見栄え等で出荷対象にならずに生産者に捨てられる分に当たります。」
そして次に4枚取り出し、「これは牛や鶏などの家畜の餌として消費される分です。そのうちの1枚分が食肉や卵などに変わって、食品となって帰ってきます。」
それから「次の2枚は、家庭ごみとして、賞味期限切れや好き嫌いによって廃棄されたり、人参やきゅうりなどの端で切られ残飯として捨てられる分、それにホテルやレストラン等での食べ残しによって捨てられたりする分に当たります。」
そして、「最後に残った2枚と家畜から食品となって戻ってきた1枚が私たちの口に入る計算になります。」と説明されました。
つまり、私たちは穀物生産量の3分の1しか食品として活用していないことになります。食品ロスが3分の2もある一方で、食べられないで飢餓により亡くなっていく子供達が1分間に約12人もいることを聞くと、私たちの周りの食品ロスを少しでも無くすために、生活を見直す必要があると強く感じました。
一人でも多くの人が、自分のことだけでなく最貧国でお腹を空かしている人々に目を向けられることを切に望みます。
もし、兄弟また姉妹のだれかが、着る物がなく、また、毎日の食べ物にもこと欠いているようなときに、あなたがたのうちだれかが、その人たちに、「安心して行きなさい。暖かになり、十分に食べなさい」と言っても、もしからだに必要な物を与えないなら、何の役に立つでしょう。ヤコブ2:15~16
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