人生の失敗
~お金をティシュのように~
先日、ある本の「人生の失敗」のコーナーに井川意高(もとかた)氏のインタビュー記事が載っていました。井川氏は大王製紙創業者の3代目で1年半の間に107億円もの大金をマカオやシンガポールのカジノですってしまった猛者です。
年収数百万円の田舎牧師の私には、107億なんて想像もつかない大金です。おそらく死ぬまでお目にかかることはないでしょう。それをあたかもティッシュを使うように使ってしまいました。
大王製紙は井川さんが子会社7社から合計86億円を不正に借り入れたとして告発したので、彼は会社法違反(特別背任)で逮捕されました。そして、懲役4年の実刑判決を受け服役しました。
記事によると彼は最初から遊び人だったのではなく、東京大学法学部を卒業後、27歳で当時は別会社だった名古屋パルプの社長として出向、同社はティッシュの「エリエール」など家庭紙を作っていたが、年間70億の赤字を出し、900億円もの借金を抱えていた。
それを彼はたった3年で収支トントンまでももっていき、名古屋パルプの立て直しに成功したといういたって有能な経営者だったのです。
しかし、大王製紙の社長に就任したころからやる気を失っていく。つまり、大きな試練に直面したときはやる気が出て、その困難に立ち向かうことができたが、比較的順調であまり努力を要しない会社の社長は退屈で仕方がなかったということでしょう。
そのやる気を失ったときにはまったのが、小さい頃から好きだったギャンブルだったのです。もともと御曹司で大金を持つ機会があった彼は、カジノのばくちに手を出し始めます。借金は膨らみ、すぐ100億円台に達したのでしょう。
特別背任罪に問われ、父親や彼の大王製紙の持ち株を売って、借金の穴埋めをしました。約100億円の借金を返すことができるだけでなく、服役後も経済的にはそんなに困った様子もないということなので、製紙会社はそんなに儲かるのかと不思議に思います。
彼がなぜそんなことになったのか原因を調べながら生い立ちを読んでみると、彼のお父さん(大王製紙2代目)が厳しい人で、成績が悪いとゴルフクラブのグリップで叩かれていたというのです。
彼は厳しい父親のもとではいたって真面目な模範生だったのが、父の元を離れ経営のトップになったとき、つまりそのたががはずれ自由になったときにギャンブルにはまっていったのではないかと思われます。
彼が受けた精神科の先生は「あなたのやったことは、結局父親に対する復讐ではなかったのか」と言われたそうです。スパルタの家庭教育はどうしても後でその負債を負うことになると思います。
彼の人生を見るとき、転機が小中学生時代にあったように思います。かれは「人間はなぜ生まれてくるのか、宇宙は何で存在するのか」と考え込んでいたと言っています。その時、天地万物の造り主なる神様の存在を知っていたら、まったく違う人生を歩めたものと思います。
神に造られ生かされている私たちは創造主なる神様を知ることなしに正しい有意義な人生を送ることはできません。
はじめに神は天と地とを創造された。創世記1:1
主を恐れることは知恵のもとである、聖なる者を知ることは、悟りである。箴言9:10
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