楽しい食事会
~みんなで食べるお食事は美味しいね~
先日教会で月1回のお食事会が行われました。キュウリ、レタス、トマトにゆで卵のサラダと、ミートボール、ジャガイモ、ハート形に切り取られたニンジン等の入ったビーフシチュー、それに茹でたソラマメ、デザートにはきな粉を被った鹿児島特産のあくまきというメニューでした。
楽しい会話をしながらのお食事会で、ほぼ毎回語られるのが、「みんなで食べるお食事は美味しいね~」という言葉です。参加者には一人暮らしの方や私たちのように老夫婦二人で暮らしておられる方々がおられるので、大勢でわいわい話しながら食べるお食事は確かに美味しく感じられます。
先日、面白い記事を見つけました。それは、名古屋大学大学院特任講師の中田龍三郎先生らの研究結果をまとめた論文で、米国の科学誌に掲載された話だそうです。
その研究内容とは、65歳以上の高齢者、それに大学生のそれぞれ16人ずつに、あらかじめ用意された正面に鏡を置いた部屋と、鏡サイズのモニター(無人の映像を表示)を置いた部屋の2つの個室に一人ずつ入ってもらい、塩味のポップコーンとキャラメル味のポップコーンを1分30秒間食べてもらいました。
そして、参加者に美味しさを6段階で評価してもらった結果、どちらの味も鏡ありが鏡なしより高く評価され、また食べる量も鏡ありの方が多かったということです。それによって、一人で食事をするとき、テレビを見ながら食事するより、鏡を見て食事をしたほうがより美味しく感じるということが証明されました。
すなわち、一人で食べる時、自分が食べている姿を鏡で見て食べる方が、テレビ等を見ながら食べるより美味しいと感じるということです。しかしそうは言っても、一人で鏡を前にして食べている自分の姿を想像すると、まだテレビを見ながら食べている方がまともに感じられるように思われます。
しかし、先生は認知心理学が専門の方なので、認知症で食が細い方にとっては効果が期待できるということなのでしょう。
また、心理学では相手が食べ物を口に運ぶと、自分も食べるなど、自然に同じ行動をとることがあるミラーリングというのがあって、それによって信頼関係が構築されたりするといわれているそうです。
これによると、教会にて大勢で談笑しながら食べるお食事は美味しいだけでなく、信頼関係構築にも良い効果がありそうです。
ただ、実験ではしょっぱい、甘いの味覚は鏡ありと鏡なしでは変化はありませんでした。すなわち味覚は環境に関係なく感じ、美味しさは味だけではなく、周囲の状況を総合的に理解・判断する高次な脳機能によって感じられると言うことです。
それで、日本料理が美しく盛り付けられるのは、より美味しくいただく為であることが理解出来ました。我が家でも妻が器にこだわったり、盛り付けやそれをテーブルに置くとき、正面を向くよう置き方に注意するのを見て、どうせ食べるのだからと適当に考えていた自分を反省しました。先日のお食事会時のビーフシチューに入っていたハート形のニンジンにも感謝しま~す。
見よ。兄弟たちが一つになって共に住むことは、なんというしあわせ、なんという楽しさであろう。詩篇133:1
そして毎日、心を一つにして宮に集まり、家でパンを裂き、喜びと真心をもって食事をともにし、神を賛美し、すべての民に好意を持たれた。主も毎日救われる人々を仲間に加えてくださった。使徒2:46~47
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