去り際の美学

公開済み 7月 8, 2018 by 管理人 in アドナイ・エレ

~サムライブルーの鶴の折り紙~

サッカーの2018年FIFAワールドカップ・ロシア大会が大詰めを迎え、サッカーファンは連日テレビ観戦の為、眠られない日々を過ごしておられるようです。私自身スポーツ観戦は嫌いではないですが、真夜中まで起きて観戦するほどではありません。ただ、日本選手の活躍は気になります。

さて、日本代表は直前の監督解任により、急遽指揮を執る事になった西野監督が、前監督で若返っていた代表メンバーに、本田選手・香川選手・岡崎選手などのベテラン選手を招集してチーム編成を行いました。すると、世間から「おっさんチーム」とか「忖度チーム」などと揶揄され、大会は全敗で帰ってくるだろうと批判されながら大会に臨みました。

しかし、ベテラン選手と若手選手との融合が非常にうまくいって、予想に反して勝ち進み、ベスト16の決勝大会に出られるようになりました。しかし、決勝大会ではFIFAランキング61位の日本に対して、ランキング3位の優勝候補・ベルギーのスター軍団と当たることになりました。

世界の大方の予想では、一方的な試合になり、ベルギーが大勝するであろうとのことでしたが、試合は日本選手の健闘により予想に反して一進一退の白熱した展開になり、同点のまま延長に突入寸前、ベルギー選手のゴールが決まり、3対2で日本が惜敗しました。

ベルギーに逆転負けした日本選手は、最後の数分での悪夢に力を落としグラウンドに座り込んだり、悔しさに肩を落として涙をこらえたりていました。しかし、すぐ気を取り直してスタジアムで応援して下さったフアンに感謝を伝え、ロッカールームに引き上げて行き、大健闘の日本のワールドカップが終わりました。

しかし、しばらくしてFIFAのジェネラルディレクターを務めるプリシラ・シャンセンズ氏が日本代表の使用したロッカールームの写真をTwitterに投稿したことにより、再び日本選手のことが世界で話題になりました。

投稿された写真にはベンチとロッカーがきれいに掃除され、美しい状態に保たれていて、入り口のテーブルにはロシア語で「スパシーバ」(ありがとう)と書かれたメモ書きがあり、その側には日本のユニホーム色(サムライブルー)の折り紙の鶴がそっと置かれていました。

その状態を多くの海外メディアが取り上げ称賛していました。イギリスのThe Sunは「彼らは敗者ではないことを証明した」、USA TODAYは記事の中で「負けても彼らの素晴らしい精神はなくならなかった。」と賛辞を送り、これこそすべてのチームの模範だと発信していました。

一方、スタンドで応援していた日本のサポーターたちも、終了間際の敗戦のショックは大きく、うなだれたり泣きじゃくったりする姿が見られましたが、すぐ気を取り直して、すっかりおなじみの光景となった、ゴミ袋を手に客席のゴミを拾ったり、黙々と清掃活動をこなしました。彼らをも海外メディアは改めて称賛しました。

日本には「来たときよりもきれいに」「立つ鳥、跡を濁さず」とかの教えが根底にあり、その精神に基づく活動が海外からの称賛を得たのだろうと思います。このような良い伝統が守られていくことを切に望みます。

日本人の海外におけるこのような姿に誇りを感じ、このような日本の名を汚さぬように私も日頃の行動に気をつけたいと思いました。

 

それで、何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。これが律法であり預言者です。マタイ7:12

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