試練の中にも安息の場が
~暑さの中で最高に涼しい経験~
連日続く暑さの中、早朝からの強い日差しに子供達が額に汗して、少し疲れた様子で登校していました。私のために妻が断熱アルミシートを頭の形に切ってくれたものを帽子の裏に貼り付け、またタオルに包んだ保冷剤を首に巻きつけて街頭に立ちました。そして、ついに先日夏休みに入ったので子供達のことを思い、ホッとしています。
しかし、先日は埼玉県の熊谷市で41.1度という高温を観測し、5年ぶりに日本最高記録を更新したという報道がなされました。うだるような暑さという言葉がありますが、その表現を遥かに超えた煮えたぎるような暑さだったと思います。
当日は40度を超えた地域が点在し、日本中が高温に包まれ、熱中症により搬送された方や亡くなられた方がたくさんおられました。今年、災害規模の連日の酷暑に、私達は各自が暑さ対策を十分して過ごす必要に迫られています。
また、今年は私達の住む南国鹿児島より遥かに高い気温を関東、関西の各地で観測していて、なんだか変な感じがします。以前は関東、関西から来られた方が鹿児島空港から外に出た途端に南国の生暖かい空気がむっときて、さすが南国に来たという感じがしますねと言われていたのに、今はこちらのほうがまだ涼しいですねと言われそうです。
先日テレビで、東京の夜をサーモグラフィー(物体から放射される熱分布を図として表した画像で、高温部になると赤色が強くなり、低温部になると青色が強くなる)で映し出していました。夜なのにまだ全体的に真っ赤で、特に赤が長く伸びている所は地図では道路になっており、赤い部分が広く場所を占めている所は駐車場でした。これからアスファルトは熱がこもって高温になることがわかりました。
そんな中で青い部分が長く伸びているところがありました。それを地図で見ると川でした。なるほど川だけは都会で唯一温度が低く涼しい場所なんだと納得しました。そこで、川に船を浮かべてゆっくりできたら最高の贅沢ではないかと考えました。
そんなことを思っていると、私の小さい頃に経験した流れ船に思いが至りました。思えば今から60年以上前の私の子供時代のことで、父の仕事の関係で私達家族が屋久島にいた時の思い出です。当時、島には特に娯楽というものはありませんでした。しかし、夏の夕方10数人乗れる小舟に食べ物や飲み物を積み込み、家族や近所の方々と一緒に船に乗りました。そして、私達はゆっくり櫓を漕ぐギーコギーコという音を聞きながら川の上流に向かいました。
現地の地名で白浜という上流に来ると船はUターンして、下流に向けてゆっくり流れ始めます。川幅が広いので船はゆっくりゆっくり流されて進みます。あたりが薄暗くなってきて、涼しい風が吹き、船に吊るされた提灯の明かりがゆらゆらと水面(みなも)で揺れます。静寂の中、船底に当たる波の音だけがチャプチャプと聞こえています。
しばらくすると船から川の水の中に吊るされ、網に入れられた大きなスイカが、引き上げられ切って分けられます。船の上では徐々に話が弾み、歌が飛び出したりして、波の音を聞きながら食べたり飲んだりして、川の流れに任せます。しばらくすると両岸に遠く家々の明かりが見えてきます。
出発して岸に着くまで、1時間から1時間半ぐらいのものだったと思いますが、涼し気な波の音と頬を撫でる優しい風によって最高に幸せな時間と空間をみんなで共有でき、猛暑の中からの逃避の素敵な思い出として残っています。
あなたがたの会った試練はみな人の知らないものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを、耐えられないほどの試練に会わせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えてくださいます。Ⅰコリント 10:13
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