たいせつなきみ

公開済み 11月 8, 2020 by 管理人 in アドナイ・エレ

~ 自分で確かめてみれば ~

先日の小学校での本読みボランティアでは、3年生の子供たちにマックス・ルケード作の「たいせつなきみ」という本を読ませていただきました。作者のマックス・ルケード氏は牧師であり、聖書を題材とした素晴らしい絵本をたくさん書いておられて、人間社会の問題点をあぶりだし、それに対する解決を提示しておられます。

さて、この本にはエリという彫刻家によって作られた沢山の木彫りの小人・ウイミックスがいて、それらのウイミックスたちはそれぞれ金ぴかのお星さまシールと醜い灰色のダメ印シールを持っていて、それをお互いにくっつけ合って暮らしていました。

きれいな木でできて、絵の具もきれいに塗られた可愛い小人たちはたくさんのお星さまシールをもらっていた。一方、木がデコボコだったり、絵の具が剥げていたりしたらダメ印シールをくっつけられた。

また、運動ができたり、難しい言葉を知っていたり、素敵な歌を歌えたりする小人はみんなからお星さまシールをくっつけられた。だけど、何にもできない、ぶきっちょな小人たちはいつも醜いダメ印シールをくっつけられていた。

この本の主役のパンチネロは失敗ばかりで、木のからだにもかすり傷がついているので、みんなからたくさんのダメ印シールをからだ中につけられていた。そして、みんなから「あいつはダメな小人だからダメ印がお似合いだ。」とからかわれていた。

彼は、外に出たら彼と同じようにダメ印をいっぱい付けたウイミックスたちと一緒にいた。その方が気楽だったから。

しかし、そんなパンチネロはある時ルシアという不思議なウイミックスにあった。彼女はお星さまシールもダメ印シールも何にもつけていなかった。みんなは彼女にシールを付けようとしたがくっつかなかった。

パンチネロは「僕もあんなふうになりたいな~。もう誰からも良いとか悪いとか言われたくないよ。」と思った。そこで、彼女にどうすればいいか聞いてみた。すると、「毎日、彫刻家のエリに会いに行って、お話をするのよ。」と答えた。そこで、パンチネロが「どうして?」と聞くと、「自分で確かめて来れば?」と言いながらルシアは行ってしまった。

パンチネロは恐る恐る丘のてっぺんのエリに会いに行った。すると、エリの方から「パンチネロじゃないか、会いに来てくれたんだね。」と声を掛けてきた。パンチネロはびっくりして、「僕の名前知ってるの?」と聞いた。すると、「もちろん知ってるさ。私がお前を作ったんだからね。」とエリは答えた。

そして、「お前と同じウイミックス仲間がどう思おうと、気にすることはないよ。大切なのは私がお前をどう思っているかなんだよ。そして、私はお前のこととても大切だと思っているよ。」と言った。パンチネロが「僕が大切?どうしてこんな僕が大切なの?」と聞くと、エリは「お前は私のものだからさ。だから大切なんだよ。」と答えた。

この物語は私たちの住む人間社会を投影しています。人間同士で美しい人やかっこいい人、また様々な才能や能力のある人がみんなから持てはやされてる一方で、特に取柄のない人は馬鹿にされたり、いじめられたりして生活しています。

しかし、この世で生活する上で最も大切なことは他人がどう思うかでなく、私たちの造り主なる神様が私たち一人ひとりをどのように見ておられるかなのです。造り主なる神様にとっては、わたしたち一人ひとりが大切な存在であり、愛の対象なのです。

わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。イザヤ43:4a

また、パンチネロがルシアに「どうして、毎日エリに会いに行くことがすべての解決になるのか」と聞いた時、ルシアは「自分で確かめてみれば」と言ったのも、実際に神様に祈ってみないと分からない、神様は体験的に知る必要があることを言っているように思います。

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