体験学習のおこぼれ
~ おじちゃんに白い餅を上げたいの~
喜入小学校の5年生は、毎年田植えから収穫までの体験学習をしています。今年も春に田植えをしたのですが、子供たちはいつも学校に行く制服とは違って、体操服やシャツにズボン姿で、サンダルや草履などを履いたり持ったりして登校していきました。
田植えの体験をした学校帰りに教会に寄った子供たちは、ズボンだけでなくシャツまでべったり土がついています。「田植えしただけでどうしてそんなに汚れるの?」と聞くと、「田んぼで田植え中に転んだの」と言います。ドロドロのぬかるみで足が思うように抜けなくて転んだのだと思いますが、それにしても随分派手に転んだなと思いました。
あれから暑い夏が過ぎ、秋になって彼らは今度は稲刈りの体験学習に行っていました。今年は日照りの日が多くて例年ほどは収穫がなかったそうですが、それでもたくさんのお米が穫れたということでした。
そして先日、その収穫したお米で餅つきをして、みんなで食べたそうです。お餅を食べて給食も食べたので、給食をあまり食べられなかったという子や、両方ともおいしく全部食べられたという子たちもいました。
そして、5年生の子たちは全員、小さな白いお餅を2個ずつ、それより少し大きめの芋餅1個に、500グラムのお米をもらって帰りました。
その帰る途中に教会の呼び鈴を鳴らして「すみません、おトイレ貸してください。」と言ってきました。玄関に出ると2人の男の子が立っていて、一人はすぐトイレに入りました。すると、もう一人の方が「おじちゃん、袋はない?」と聞いてきました。私はどの程度の袋がいるのか分からないので、「袋で何するの?」と聞くと、「おじちゃんに白い餅2個上げたいと思って」と言うのです。私が「おじちゃんは良いから、自分で食べなさい。」というと、「僕は学校で食べたから良いの。」と言います。私が、「せっかく貰ったのだからお家に持って帰りなさい。君のお兄ちゃんも食べたいと思うよ。」というと、「他にまだあるから良いです。」とのこと。
この頃彼は、登校時間が遅くなってきて、私は彼が川のずっと向こうから歩いて来るのが見えたら、待っていてあげたり、彼が学校帰りにおトイレを借りに来たりしていたので、お世話になったお礼にお餅をあげたいと思っているようだったので、「それでは1個だけ戴くね。」と言って、白い小さなお餅を1個頂きました。それで、彼は納得して帰っていきました。
数日後、彼のお兄ちゃんにあったので、「先日、君の弟君からお世話になったお礼と言って、体験学習でもらったお餅を1個もらったよ。」というと、「そうですか?」とそのいきさつを知らないようでした。
小学生の中には、卒業時にお礼の手紙をくれる子たちもいます。また、卒業生のお母さんから子供たちの登校時にお世話になりましたと言って手作りのパウンドケーキをいただいたこともありました。
6年間、毎朝子供たちと会って接していると、すっかり親しくなって親御さんたちにも良い印象を抱いていただいているのだと思い感謝です。
さて、弟子たちの間に、自分たちの中で、だれが一番偉いかという議論が持ち上がった。しかしイエスは、彼らの心の中の考えを知っておられて、ひとりの子どもの手を取り、自分のそばに立たせ、彼らに言われた。「だれでも、このような子どもを、わたしの名のゆえに受け入れる者は、わたしを受け入れる者です。また、わたしを受け入れる者は、わたしを遣わされた方を受け入れる者です。あなたがたすべての中で一番小さい者が一番偉いのです。」ルカ9:46~48
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