防災避難訓練
~励ますどころか足でまとい~
東日本大震災からちょうど2年が経つ3月11日に、喜入小学校で防災訓練が行われ、それに参加させて戴きました。事前に校長先生にお会いすることが出来たので、避難ルート等を教えていただきました。
そして、避難する時に、子供たちを励ましたり、助けたりして、子供たちの安全を確認しつつ誘導して下さいとのご指示を頂きました。
それから校庭に出て訓練開始を待ちました。その間に、集まって来られた地域の方々から終戦直後に、学校の裏山が崩れ、校長住宅が埋まってしまったとの当地で起きた災害についてお話しを伺いました。
しばらくすると、校内放送で「地震が起き、大きな津波が来る模様です。」とのアナウンスがありました。それを聞いて、「いよいよだな」とすこし緊張が走りました。すると、まず3,4年生のクラスから子供たちが校庭へ飛び出して来て、校庭の中央付近に並びました。
その後に6年生が、1年生の手を握って誘導しながら駆けて来ました。続いて5年生が同じように2年生の手をとって小走りで校庭中央に集まって来ます。1・2年生の全員が上級生のお兄ちゃん、お姉ちゃんに連れられ、守られて校庭に集まり、整列しました。
それから、各クラスごとの点呼が行われ、全員の集合が確認されると、次に校長先生が避難時の注意点等を話され、さらに、私たちに対して「地域住民の方々は子供たちの間に入って避難誘導を協力して下さい」との要請がありました。
いよいよ、先生の号令に従って、裏山に向けての避難開始です。まず1年生を連れた6年生が、次に2年生の手を引いて5年生が、続いて3・4年生が急ぎ足でプール横を抜け、公道に次々に出て行きました。
皆は道路の横に2列に並んで小走りに進んで行きます。子供たちは喜入支所の前を通り抜け、その先にある小さな登山口から、山上の運動公園目指して、次々に坂を登り始めました。
私はいつも、ちょうど反対側にある緩やかな登り口から車で運動公園に行っていたので、この道を通るのは久しぶりでした。坂道は思ったより急で、途中で足がどんどん重くなるのを感じました。
しかし、子供たちは平気でぐんぐん勢い良く登って行きます。私たちは子供たちを励ましたり、助けたりするどころではなく、ただ急な坂を、子供たちに遅れないように、子供たちの足手まといにならないように必死で着いて行くという感じで登りました。
避難開始から、わずか15分程で山上の運動公園に着く事が出来ました。思っていたよりスムーズに避難でき、先生方も安心されたようでした。公園に着くと、皆が中央に集まり、点呼が行われ、校長先生のお話しがありました。
その間、教頭先生が子供たちの避難訓練に参加された約20名程の、私たち地域住民の所に来られ、「この中で気分が悪くなられた方はいらっしゃいませんか。」と聞かれました。子供たちの避難訓練の見守りに来ているのに、そんな心配までして戴いたことに、皆苦笑いしました。
訓練に参加させて戴いて、このような訓練をあらかじめ行うことの重要性を痛感致しました。それは、突然襲ってくる災害に対して、慌てないで落ち着いて正しい判断をし、間違わないで行動ができるためには、このような実地訓練を通して、備えておくことが非常に大切であることを実践を通してよく分かりました。
今回は、子供たちを励ましたり、助けたりすることはほとんどできませんでしたが、避難訓練に参加させていただいて本当に良かったと思いました。
思慮深い人は災難が来ると見れば身を隠す。浅はかな者は通り抜けようとして痛い目に遭う。箴言22:3
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