将来に希望を持てない環境
〜どうして遠い所にお仕事に行くの?〜
「おじちゃん。どうして遠い所にお仕事に行くの?」私がいつものように朝街頭で、子供たちの安全指導をしていると、2年生のK君が聞いてきました。びっくりして私が「おじちゃん家はそこの教会だよ。そこでお仕事してるんだよ。」と答えました。
すると彼は「違うよ。この前もどこか外国に行ってたじゃないか。」と言ってきました。やっと、彼の聞きたかったことが分かりました。彼は、昨年秋私が2週間ほどフィリピンに行って、朝の街頭指導を他の方にお願いしていたことの理由を聞いていたのでした。
きっと私の代わりをして下さった方が、彼から「いつものおじちゃんはどうしたの?」と聞かれて、「おじちゃんはお仕事で外国に行ってるんだよ。」と答えられたからだろうなと思いました。
ようやく質問の内容に合点がいった私は彼に答えました。「あれはね。外国の貧しい子供たちの所に様子を見に行ってたんだよ。この前はフィリピンの小さな小学校3つを回って来たんだよ。それはね、その様子を日本の子供たちに伝えるためなんだよ。」と答えました。
K君は「ふ~ん。」と何となく納得したような感じで、登校していきました。彼の後姿を見ながら、私の経験をまだまだ日本の子供たちにうまく伝えられていないな。もっともっとたくさんの子供たちに、世界の様子を伝えていく方法を考えないといけないなと思いました。
今、喜入の中学校と少し離れた西谷山小学校では毎年授業で世界の食糧事情や飢餓についてお話をさせていただいています。そのほか、依頼があるとき幼稚園やほかの団体等にお話に行く程度で、なかなか世界の飢餓の現状を伝える機会が少なくなって来たことを残念に思っています。
そこで、彼の質問をきっかけに、今からは依頼を待つのではなく、いろいろな機会を利用して、またいろいろな媒体を活用して、世界の現状を少しずつでも日本の子供たちに伝えていかなければと思わされました。
さて、フィリピンに行くと、まだまだ学校に行きたくても行けない子、勉強がしたくてもできない子がたくさんいました。
これはフィリピンだけの問題ではありません。世界中にはストリートチルドレンといわれる、いわゆる路上生活をしている親のない子供たちが1億人ほどいると言われています。
彼らにとっては、ただその日その日を食べていくことだけで、将来の夢や希望を持つことはできません。ただ生きるために毎日を必死に戦っていくのみなのです。
具体的にフィリピンでの支援活動は里親制度を活用して、子供たちが学校に通えるようにしたり、学校給食ができるように経済的援助を行って、給食をきっかけに子供たちが学校に通うようになり、勉強することができるようにしたりする支援を行っていました。
恵まれた環境の日本の子供たちには、日々心配なくご飯が食べられること、毎日学校に行けること等を感謝して、この素晴らしい恵みを無駄にしないように、勉学に励んでいただきたいと思います。これらの恵みを下さったのは神です。使徒パウロは神から頂いた恵みを無駄にすることなく、一生懸命働きました。私たちもできることから始めましょう。
ところが、神の恵みによって、私は今の私になりました。そして、私に対するこの神の恵みは、むだにはならず、私はほかのすべての使徒たちよりも多く働きました。しかし、それは私ではなく、私にある神の恵みです。Ⅰコリント15:10
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