「世界の飢餓」街頭募金
~どす黒い灰の中で~
10月11日、世界食料デー鹿児島大会を前に、6日天文館アーケード街で2か所に分かれて、街頭募金と当日の案内チラシ配布を行いました。私たちの教会は市街地からはかなりはずれているのですが、2人の若者と一緒に参加させて戴きました。
当日は彼らと市街地に車で向かっていると、桜島が噴煙をもくもくと吹き上げるのが見えました。そして、大量の黒い灰が不気味な形をして、市街地に襲い掛かるように青い空を覆ってきていました。
市街地に近づくと、どす黒い灰が雨のように落ちてきて、数十メートル先がほとんど見えないような状況になってきました。そして灰は、車のフロントガラスにもパラパラと降り積もり始めました。車の中にいる間はまだ良いですが、もうすぐに駐車場に車を止めてこの灰の中を街頭募金の場所まで歩かなければなりません。
憂いていてもしょうがありません。「えーいっ」と意を決して駐車場から外に出ると、バラバラ灰が降り、いったん地面に落ちた灰が風によってふたたび巻き上げられて私たちを襲います。半ば強引に誘った二人に申し訳ないと思いながら、募金場所まで急ぎました。
アーケードの中は幾分いいのですが、募金場所は電車通り近くのアーケードのはずれの方だったので、電車通りから巻き上げられた灰が吹き込んできていました。その中を暫く待っていると、のぼり旗や募金箱、チラシや拡声器等が運ばれてきました。
こんな灰の中を天文館に出てくる人がいるのだろうかと思っていましたが、思いの外、大勢の人がひっきりなしに向こうのアーケードからこちらに、またこちらの方から向こう側へと灰が巻き上がる電車通りを越えて行き来していました。
募金活動は1時間だけ許可をいただいて街頭に立ちます。元アナウンサーのNさんが良い声で世界の飢餓の状況を色々な角度から語り続けられました。他の10数人は募金箱を持つ人、チラシを配る人、のぼりを掲げる人等に分かれて活動しました。
私はチラシ配りをさせていただきました。無関心を装い急ぎ足で通り過ぎようとする人々の足を如何にして止めて、チラシを受け取っていただくか苦労しました。募金もさることながら、少しでもチラシを読んでいただいて飢餓の状況を知っていただきたいとの思いで、心を込めて渡そうとしましたが、数人に一人受け取っていただくのがやっとでした。
しかし、一緒に来た女子大生のⅯさんは次々にチラシを受け取っていただいており、彼女の手持ちのチラシは急激に減っていくので、不思議に思いながら、彼女のチラシの補充を何度かさせていただきました。
日本人が貧しかった時は、人の痛みが良く分かって、助け合うことが容易にできていたように思いますが、豊かになって痛みの中や苦しみの中にいる人々に対する優しさ、思いやりの精神が薄れてきているように感じました。
先週の週報に書かせていただいたように、飢餓の問題は食料不足ではなく、分配の不平等や穀物を投機の対象にして売り買いする、自分さえ良ければいいという自己中心の心が生んでいるのだと言われます。私自身も自分の生き方を吟味しつつ同じ過ちに陥らないようにしていきたいと思います。
すると、王は彼らに答えて言います。『まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。』マタイ25:40
写真:街頭募金に向かう社内から撮影した風景。目の前にある灰色の雲みたいなものは灰です。
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