真の教育

公開済み 11月 12, 2013 by 管理人 in アドナイ・エレ

~ペーパーテストの成績を上げることではなく~

先日ある小学校に講演に行かせて戴きました。お話が終わって、校長室で校長先生と1時間半ぐらい、親しくお交わりをさせていただきました。その中で校長先生がお話された先生の体験談に共感いたしましたので、ここに紹介させていただきたいと思います。

先生が、1学年が20名ほどの小さな学校に赴任されていた時のこと、常に成績がトップの女の子がいたそうです。その子は他の子より成績が良いことを鼻にかけ、他の子を見下すようになっていました。

先生はそのことが気になっていたので、ある時彼女を呼んで話しました。「君はこの学校で頭が良いと思っているようだが、鹿児島県には君の同級生がどれほどいると思っているのか。全国にはどれほどいると思うのか。そんな中に入ったら君は必ず埋没してしまう。」とかなり厳しく諄々とお話したそうです。すると、その忠告に彼女は泣き出したということでした。

それから、彼女は見事に変わってそれまで不得意でやりたがらなかった運動も積極的に取り組むようになり、泳げなかった水泳も一生懸命努力して、一番上手になったというのです。

先生の愛のムチによって、井の中の蛙だった自分を知り、悔い改めを経験した彼女は、その一件によって、人の人生に良い影響を与える教師を目指すようになり、やがて念願の先生になって、今は不思議なめぐり合わせで、校長先生と同じ学校に勤務されておられるというのです。

彼女も、ただ生徒たちのペーパーテストの成績だけを上げるだけの教師ではなく、校長先生と同じように生徒ひとりひとりの人間性を成長させられる素晴らしい教師になられるものと思いました。

しかし、小学時代の彼女にかぎらず、私たちはいつも小さな世界で競争して、一喜一憂しながら生きているように思います。

私の知人の子供さんは、ある中学校で3年間成績トップで、一度もその指定席を人に譲ることはありませんでした。その彼が有名な受験校に入ると、中程度の成績で全く目立たなくなってしまいました。親たちも「中学生の時は家の子は天才だと思っていたが、高校に入ると唯の人だった。」と話していたそうです。

県下から集まる高校ですらこうですから、全国の学生が競う大学になると更に大変です。ましてや世界には並外れた才能の持ち主がザラにいます。ですから目先の小さな世界の競争で傲慢になったり、人を見下したりすることが如何に的外れで、馬鹿げたことであるかをはっきり知って、謙ってたゆまぬ努力をしていく必要があると思います。

最も大切なことはペーパーテストの成績を上げることではなく、人間性を成長させることなのです。成績が良くても人間性に乏しい人からは人々が離れて行き、最後は孤独を経験してしまうことになるでしょう。

一方、特別な才能がなくても人間性が豊かで、品性の優れた人の所には人々が集まって来て、愛と尊敬を注ぐようになることでしょう。

イエス様は次のように話されました。(《》は注釈)

心の貧しい者《謙った者》は幸いです。天の御国はその人たちのものだから。悲しむ者《自分の無価値さに悲しむ者》は幸いです。その人たちは慰められるから。柔和な者は幸いです。その人たちは地を受け継ぐから。義に飢え渇く者は幸いです。その人たちは満ち足りるから。あわれみ深い者は幸いです。その人たちはあわれみを受けるから。心のきよい者は幸いです。その人たちは神を見るから。平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるから。義のために迫害されている者は幸いです。天の御国はその人たちのものだから。マタイ5:3~10

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