サッカーによる和平
〜内戦を止めた英雄〜
サッカーの祭典、ワールドカップがいよいよ南米ブラジルで始まりました。日本代表もアジア大会を勝ち抜いて出場しているので、ここしばらくはサッカーフアンのみならず、たくさんの人々がその戦いぶりに注目し、日本中で熱い応援が繰り広げられるものと思います。
さて、この大会に出場するためには、アジア予選を勝ち抜かなければなりませんでした。アジアのワールドカップ出場枠は4.5で、その椅子を巡って43か国の代表チームが1次予選、2次予選、3次予選、4次予選を戦い、それに勝利した4チームがまず出場権を獲得することができます。また、その他にアジアの5位になったチームは南米の5位チームとプレーオフを行いそれに勝利した場合、出場することができるので、アジアの出場枠4.5となっているのです。
日本はこの熾烈な戦いに勝利して本大会出場を獲得しているので、日本のみならずアジアの代表として立派に戦ってほしいと思いますが、他地域からの代表、ヨーロッパ代表、アフリカ代表、南米代表等みなサッカーの盛んな地域でし烈な予選を勝ち抜いてきた強豪国ばかりなので、予選で一つ勝つだけでも大変なことなのです。
応援される方々はそのような事情も踏まえたうえで、ブラジルまで熱い声援を送っていただきたいと思います。
また、この大会には桜島出身の遠藤選手(鹿児島実業出)や日置市出身の大迫選手(城西高校で)も選ばれて出場するので、彼らの活躍にも期待がかかります。
その他、日本チームには香川選手、本田選手、長友選手、長谷部選手、岡崎選手、内田選手など沢山のヨーロッパの強豪チームで活躍している選手もたくさん出場しているので、彼らの活躍にも期待がかかります。
サッカーは昔から世界のどの地域でも盛んにおこなわれていて、開発途上国と言われる国々でもサッカーだけは気軽にできるスポーツとして、また子供たちに夢を持たせるスポーツとして盛んにおこなわれてきました。
先日はテレビの池上彰解説塾で日本の初戦の相手、コートジボアールがサッカーによって10年もの間続けて殺し合っていた内戦が沈静化したということを教えていました。
その内戦を止めたコートジボワールの英雄こそ、今回もコートジボアールの代表として出場しているディディエ・ドログバ選手です。彼は5歳の時フランスに渡り、サッカーの英才教育を受けました。
彼はフランスに残って、ワールドカップにフランス代表として出場することより、祖国コートジボアールに帰り、そこでワールドカップを目指すことを選択しました。当時コートジボワールはサッカーの弱小国でしたが、彼の活躍により瞬く間に力をつけて、2005年にはワールドカップの出場権を獲得しました。
しかし、その時はまだ国内は内戦の真っただ中にありました。彼はワールドカップ出場を決めた試合直後、歓喜する国民に向かって、メッセージを送りました。
「コートジボワール国民の皆さん、今日ワールドカップ出場という共通の目標のもと、コートジボワールの様々な民族が共存してプレーできることが証明されました。歓喜によって人々は団結できます。今ここでひざまずいてお願いします…どうかお願いです!お願いです!豊かなコートジボワールで内戦が起きるのは許されません。武器を捨ててください。そして選挙をしましょう。それですべて良くなるはずです」この一言によって内戦が一時的に停止しました。
また彼は、いつも南部で開催されていた代表の試合を北部で行うことを大統領に直談判しました。しかし当時、反政府組織が占領していた北部は長い内戦で荒廃し、サッカーの試合をするような環境ではなかったのです。
それでも、電気も水道もない貧弱なスタジアムで国際試合が行われ、この日は南北関係なく国民が一丸となって応援、その瞬間 南北の心はひとつになりました。
そこでドログバは、カメラの前で反政府リーダーに平和を約束させました。これが暫定的な和平交渉のキッカケになったのです。
平和をつくる者は幸いです。その人は神の子どもと呼ばれるからです。マタイ5:9
彼はクリスチャンで上の御言葉を実践したのです。
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