ヨナ書1章より
2023年10月1日
<聖書>
アミタイの子ヨナに次のような【主】のことばがあった。
「立って、あの大きな町ニネベに行き、これに向かって叫べ。彼らの悪がわたしの前に上って来たからだ。」
しかしヨナは、【主】の御顔を避けてタルシシュへのがれようとし、立って、ヨッパに下った。彼は、タルシシュ行きの船を見つけ、船賃を払ってそれに乗り、【主】の御顔を避けて、みなといっしょにタルシシュへ行こうとした。
さて、【主】は大風を海に吹きつけられた。それで海に激しい暴風が起こり、船は難破しそうになった。
水夫たちは恐れ、彼らはそれぞれ、自分の神に向かって叫び、船を軽くしようと船の積荷を海に投げ捨てた。しかし、ヨナは船底に降りて行って横になり、ぐっすり寝込んでいた。
船長が近づいて来て彼に言った。「いったいどうしたことか。寝込んだりして。起きて、あなたの神にお願いしなさい。あるいは、神が私たちに心を留めてくださって、私たちは滅びないですむかもしれない。」
(ヨナ書1章1-6節)
<説教>
1.人間の罪とは神への反逆
アミタイの子ヨナに次のような【主】のことばがあった。
「立って、あの大きな町ニネベに行き、これに向かって叫べ。彼らの悪がわたしの前に上って来たからだ。」 (ヨナ書1:1-2)
まことの神は、人間に語られます。神を恐れて罪から離れなさいと神は語られます。アッシリアの大都市ニネベの人間の罪に対して神はさばきを下されようとします。
預言者ヨナは、その神の言葉を預かった(伝えるよう託された)のです。
アッシリアは神を恐れず、神を侮り、罪に堕落して不道徳、殺戮と略奪が満ちて、ヨナの国イスラエルを攻め取ろうとしていました。
そんなアッシリアが神に悔い改めて、滅亡から救われることがヨナは我慢できませんでした。
人間は自分の考えや都合によって、神に素直に従えないのです。
人間は神に対して頑なで強情なのです。聖書によると人間の罪の中心は神への反逆です。
ヨナは神に従わず、神から離れようとします。主の御顔を避けようとします。神が命じたニネベへ行かず、タルシシュへ逃れようとします。人間は何処へ逃れても、神から逃げることなどできません。
神はいつも人間がどこにいるのかご存知です。
神である【主】は、人に呼びかけ、彼に仰せられた。「あなたは、どこにいるのか。」
(創世記3:9)
神から離れようとすればするほど、人間の状況はますます最悪になっていきます。
大風と暴風がヨナの船を襲い、ヨナは船の底に下って行き、寝てしまうのです。神から離れるとき、人間は怠慢になり、神に与えられた本当の素晴らしい人生をなかなか生きられないのです。
2.神は人間の応答を求められる
大風や暴風で船が難破しそうになり、人々は命の危険を感じます。そして死を前に、罪を知り、神を恐れるのです。くじを通して、神はこの大嵐はヨナの罪が原因だと明らかにします。
罪は単にひとりの悪では終わりません。人と人との関係に深刻な影響を与えます。そして神との関係を引き離します。神から離れるほど、人間にとって恐ろしいことはありません。
イエス様も、十字架に架かられる前に父なる神から離れることに耐えられず祈りました。
ヨナは天地を造られた神を信じて恐れていました。
ヨナが神に対して逃げようと反逆した理由は、神の真実を知っていたからでもありました。
神は罪を悔い改めたニネベの人たちを赦されることをヨナは知っていたのです。
神は、彼らが悪の道から立ち返るために努力していることをご覧になった。それで、神は彼らに下すと言っておられたわざわいを思い直し、そうされなかった。
(ヨナ書3:10)
この世界を創られた唯一の神は、すべての国の人を愛して救うことがおできになります。そして、ヨナは神の前に、自己中心の愛を悔い改めます。
ヨナは彼らに言った。「私を捕らえて、海に投げ込みなさい。そうすれば、海はあなたがたのために静かになるでしょう。わかっています。この激しい暴風は、私のためにあなたがたを襲ったのです。」
(ヨナ書1:12)
人々は自分の国の神を信じていました。しかし、ヨナの信じる聖書の神は、ヨナの罪を明らかにして、ヨナに苦難を与え、ヨナに悔い改めを導き、まことの救いを与えられます。
無神論者は大きく二つに分かれます。ひとつは、天地を造られた神、唯一の神を否定する無神論者です。もうひとつは、否定する神を持たない無神論者です。
創造主であるただお一人の神を知っている無神論者は、いつでも、まことの神に立ち返るべき神をもっています。
日本は特に、八百万の神と言って、キツネや大木、石、お天道様など何でも神にします。神道、仏教や檀家制度など独特の風土があり、まことの神を知らない人が大勢います。聖書の神こそが、まことの唯一の神です。天地を造られ、今生きて働いて、すべての命を保っておられます。
父なる神は、そのひとり子のイエス・キリストを人間として、この地上に下し、十字架で人間の罪の刑罰の身代わりとしてくださいました。
このキリストの十字架に対して、すべての人間はどう答えるかを神は問われています。
すべての人間は神の前に罪人です。しかし、キリストを信じて罪を悔い改めるなら、神はあなたの罪を赦して、神の子どもとしてくださいます。まことの神は、あなたの心からの祈りに必ず応えてくださいます。