～蒔いた種を刈り取る～

「ワ～ン・ワ～ン」受話器を取ると、大人の人が大泣きする声が突然耳に飛び込んできて、びっくりしました。受話器の向こうで泣きながら何か話しているけど、話す声がよく聞き取れません。向こうの異様な雰囲気に、何が起きてるんだろうとこちらまで動揺が広がっていきます。

興奮を抑えながらよく聞いていると、息子と名乗る男が泣きながら、「自動車事故を起こしてしまった。相手の車には妊婦さんが乗っていて、流産しそうなんだ。示談で済ますために今すぐ200万円が必要なんだ。何とかして～」と訴えてるとこでした。

私が「今どこにいるの」と聞くと、質問されたことに少し慌てた様子で、「と、東京だよ。」と答えてきました。確かに東京にはいましたが、今は群馬に職場が変わっていて、東京にはいないはずです。相手もそこまでの情報は仕入れてなかったようで、私が「えっ、東京？」と聞き返すと明らかに動揺した様子でした。

最初は泣き声でよく判別できませんでしたが、よく聞いてみると息子とは明らかに声や話し方の特徴が違います。私の反応にばれたことが気付いたようで、相手から電話を切られてしまいました。

しかし、いきなり大人の人の鳴き声が聞こえ、びっくりして動揺しているうちに、話が進んでいくと、騙されてしまう人も出てくるだろうなと思いました。しかし、わが家の場合は親より子供の方が金持ちなので、逆はあっても息子からこのような電話が掛かって来ることはないと思っているので安心しています。

この詐欺電話は今から１０数年前の出来事ですが、このような詐欺の電話が私だけで4回、妻にも同じぐらい掛かってるというので、多分息子の個人情報がいろいろな所に流れていて、それが使われてるんだろうなと思います。

このような電話を使った詐欺にかかって、老後のなけなしの金をだまし取られたり、またつなぎ融資の勧誘で熊本の６０代の女の人が7億円ものお金をだまし取りタイで豪遊していたり、つい先日は精神障害者を女の人がたびたび呼び出し、男の遊び仲間と一緒に連れまわして、彼のコツコツ貯めてきた計１５００万円もの支払いをさせていたりと、この手の犯罪はいつまでも収束することがありません。

私は老後のためにコツコツためた大切な蓄えをだまし取られた方々を可哀そうだと思いますが、それより人を騙し上手くやったと、ほくそ笑んでいる詐欺師の方がもっと可哀そうに思います。

彼らは詐欺等でお金をだまし取り、遊び呆けていてもやがて人は皆死んでいくのだ、生きてるうちに楽しまなきゃぁと思っているのでしょうが、彼らは死後に神の裁きがあることを知らないで、死んだらすべてが終わると思って好き勝手しているのでしょう。

このような人々は、私たちの肉体はやがて朽ちて無くなっても、私たちの本質である魂は朽ちることも無くなることもなく、やがて神の前に立たされて、生前のすべての悪事が明らかになって厳しい裁きにあうことを知らないのです。

この世界は人をだましても、苦しめても、盗んでも、殺してもばれなければいいというような無秩序の世界ではありません。神の前に正しく生きる人は報われ、人々を苦しめ、自分勝手な生き方をする人は酷い裁きに服さなければならないのです。

思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります。自分の肉のために蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、御霊のために蒔く者は、御霊から永遠のいのちを刈り取るのです。ガラテヤ6：7～8

若い男よ。若いうちに楽しめ。若い日にあなたの心を喜ばせよ。あなたの心のおもむくまま、あなたの目の望むままに歩め。しかし、これらすべての事において、あなたは神のさばきを受けることを知っておけ。伝道11：9