「乳癌を体験して-治療編」Ⅳ
~小さい事に忠実な人~
佐多多視子
3月5日;再診察の後、大通りの向かいにある放射線科の病棟に移動しました。ここのクリニックの受付は2階にあり、1階にはエレベーターと上り階段しかありません。それで、骨密度検査の時、間違えて別の階に行ってしまいました。骨密度検査、MRI、MR-PET、CT、放射線治療の受付は全て2階でします。(但し手術前日のセンチネルリンパ節生検の時は、専任の運転手さんが裏エレベーターで7階まで案内して下さいます。)
2階でとりあえずの整理番号札をいただいて待っていると、左奥から医療事務の方か看護師さんが出てこられて、待合スペースの患者さんたちの前で一旦止まって、一礼をされてから、治療者の番号を呼ばれます。この一旦止まって一礼をされたことがとても礼儀正しくて美しいなと思いました。いきなり番号を呼ばれるより感じが良いし、教育された方の教えをきちんと守っておられる方々を見て感動いたしました。
小さい事に忠実な人は、大きい事にも忠実であり、小さい事に不忠実な人は、大きい事にも不忠実です。ルカ16:10
そこで、私も番号を呼ばれて、今乗ってきたエレベーターと違う奥のエレベーターで1階に降りて待合スペースで待つように言われ、そこに行って待っていました。しばらくして、また番号を呼ばれたので主人と一緒に診察室に入りました。
そこに医師と向かい合って座りました。すると、「私は〇・Rと申します。よろしくお願いいたします。」と仰られました。お見受けするところ、白髪交じりで長男と同じぐらいのお歳の先生かなと思いました。
先生が「治療期間は4/29~5/28までの25回です。入院しますか?通院にしますか?」と聞かれたので、「主人の運転で通院します。」と答えました。それから「放射線と聞くと怖いでしょうが再発防止のためのもので、そんなに怖がることはありません。ただ、放射線治療後皮膚が日焼けのような色になったり、中には壁にぶつかって骨にひびが入った人もおられました。また稀に肺浮腫を起こすこともありますが通常はそんなことはありません。また、放射線を当てる部位に印を付けますが、消えないように気を付けておいてください。費用は入院しない場合は15~17万円ぐらいになります。」と説明されました。
懇切丁寧な説明をいただいた後「プリントを渡して読んできて下さいで済むところを丁寧にひとつひとつ説明してくださってありがとうございました。」とお礼を言いました。
4月16日13:00;2階で受付を済ませ、採血をして別室で改めてH技師とU技師より4月20日の作業について詳しく説明を受けました。「胸にこのように印をつけ、資料として残すために写真撮影をします。今から顔認証のための写真撮影をしてからCT撮影をします。」と言われました。
私が「外の風が強かったので、ちょっと待って!髪を直しますから」言って、乱れた髪を直し、そして「笑った方がいいですか?笑わない方がいいですか?」と聞いたら「どちらでもいいです。」と言われたので笑って写してもらいました。
その後CT撮影があり、脇の下から腰まで印を付けていました。これはたぶん放射線が肺にかからないようにするための印だと思いました。
帰りの車の中で主人が「放射線治療はして欲しくないな。ケロイドみたいになるんだろう」というので、「ケロイドではなく、日焼けのようになると先生は言われたのよ。」と答え「骨にヒビが入ったりするんだろう」というので「私は骨粗鬆症の疑いはないと言われたでしょ。たま~に1人位そんな人が出たので気を付けて生活して下さいという事なのよ。これは再発しないための治療なのよ。ちょっと心配し過ぎじゃない」と答えました。また、顔認証撮影の時の事を話すと主人から「顔認証なんだから髪型はどうでも良いし、笑わなくても良いんだよ。」と言われて2人で笑いながら帰りました。
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