「乳癌を体験して・・・エール(励まし)を送る編」 Ⅲ

公開済み 8月 23, 2020 by 管理人 in アドナイ・エレ

医師の方々へのエール                    佐多多視子

医師をしている長男に「《乳癌を体験して》の手記を書き終わったら、院長先生に送らせていただこうと思ってるの。」というと、「それは良いと思うよ。病院に来る手紙はほとんどが苦情の手紙だから」とのことでしたので、院長先生に送らせていただきましたら、ご丁寧に返信メールを下さって、病院内で供覧しますとのことで大変恐縮致しております。

先生方が手術をして助けてくださった人々、また治療してくださった人々が、日本のみならず世界中で活躍しておられることと思います。誠に尊いお仕事を感謝します。

さて、一つ外国で起きた事例を紹介させていただきます。ある外科医が手術に失敗してしまいました。(手術に限らず、故意や不誠実さによる失敗、全力で任務に当たらない者はこの限りではありません)

彼はそのことで失望落胆してしまい「自分はもうダメだ。医師としても、人間としても失格者になってしまった。」と言って、部屋に閉じこもって頭から毛布をかぶって引きこもってしまいました。

それを聞いた牧師がカセットテープ(その当時はこれでした)を持って行って彼に聞かせました。「人はどんなに失敗しないように頑張って生きても、失敗することはあります。人は人であって神さまでも天使でもないのですから。あなたはその手術に失敗したかもしれないが、人生に失敗したわけではないのです。」このテープを彼は繰り返し何度も聞きました。

そして、彼は「そうだ。私はあの手術には失敗してしまったけれど、人生に失敗したわけではないのだ。」と言って、立ち上がり再び医師に戻り、それからは多くの命を救う素晴らしい外科医になりました。

教会員の人が良く牧師夫人の口癖ですねという言葉があります。それは「人は一生を、生きてみないと人生の途中では分からないよ。」です。

わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。──【主】の御告げ──それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。エレミヤ29:11

さて、病院に来る苦情がどういうものか詳しくは存じませんし、医師の方々への助言なんておこがましくてできません。ただ、病院への苦情に対して長男には次のように言いました。

「例え、相手が怒って口汚く罵ったとしても(怒っている人はそれだけで怖くてすべてを否定してしまいがちです)、その人の言ってること(言いたいこと)をきちんとと聞き分けて欲しい。それは他の患者さん達の為にならない事だろうか。今後の治療の助けにならないだろうか。病院側の更なる整備、成長の助けにならないだろうか。これからの医療の発展に貢献できないだろうか。その怒っている患者の外面だけを見るのではなく、その言ってることの中に何か大切なヒントが隠されているかもしれないと思って聞いて欲しいの。

苦情を言って来る患者さんが全てそうだとは思わないけれど、中にはそういう大切な進言が含まれていることがあると思うの。家電でも車でも、苦情・要望・進言・忠告の中から新しく成長してきたものも多分にあるように思うからね。

息子よ。あなたには人間としてさらに成長していって欲しい。それはあなた自身の為にも、患者さんの為にもなることだから。」

そればかりではなく、患難さえも喜んでいます。それは、患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。ローマ5:3~4

新型コロナのTV報道で医療スタッフの方々が映し出されるとお世話になった先生方の事を思い出します。お体に十分気を付けて、これからも多くの人の命を助けてください。

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