新型コロナのワクチン供給
~1日も早い終息を願う~
日本での新型コロナの感染者数がようやく下火になりつつあります。1日も早い終息が待たれますが、以前の平穏な生活を取り戻すまでは、まだまだ月日がかかりそうで、終息までの道のりはなかなか厳しい状況です。
グッドニュースとしては、今月中旬には第1弾のワクチンの提供がなされ、いよいよ医療従事者への接種が始まりそうです。うまく行ったら私たち高齢者への接種が4月に始まるようですが、ワクチン生産の方が追い付いていないようで、はっきりしたことはまだまだ分からないということでした。
新型コロナの感染は世界中に拡散しているので、今は世界中の国々がワクチンの供給を持っている状態です。しかし、残念ながらワクチン不足により国ごとのワクチン争奪合戦が始まっているようで、先日は次のような記事が目に止まりました。
南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は、世界経済フォーラムの会合で「豊かな国は大量のワクチンを手に入れた。一部の国では、最大で人口の4倍に相当する量を確保している」と指摘し、富裕国に対してワクチンの過剰な「囲い込み」をやめるよう訴えた。
WHOのテドロス事務局長は2月5日の定例の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチンの接種は複数の国で始まっているものの、全体の4分の3を上回る量が僅か10か国に集中していると指摘しました。
また、世界のおよそ130か国の大半の人々が1回もワクチンを接種していないとして、テドロス事務局長は「すべての政府は国民を守る義務があるが、自国の医療従事者や高齢者への接種を終えたら、他国にワクチンを供給することこそが自国民を守る最もよい方法だ」と述べ、世界的な感染拡大を収束させるために、途上国を含むすべての国の医療従事者や高齢者などリスクの高い人たちが優先的に接種を受けられるよう、国際的な枠組み「COVAXファシリティ」にワクチンを提供するよう呼びかけたということです。
また、アメリカの製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンが、2月4日開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、アメリカ食品医薬品局に対し、緊急使用の許可を申請しました。このワクチンは1回の接種で済むため、許可されれば接種のペースが加速すると期待されています。
ワクチンを裕福な国に優先的に提供してしまうのは、多大な研究費を費やした企業側からすると、ある程度仕方のないことかもしれません。とにかく、手に入りやすい値段で世界中の全ての人が接種を受けられる日が1日も早く来るようにと切に願っています。
このことを考えているときに、一人の日本人の研究者が頭に浮かびました。それは、日本のウイルス学者で何度もノーベル賞候補に挙がっている満屋裕明氏です。彼は1985年、アメリカ国立衛生研究所で世界初のHIV治療薬「AZT」を開発しまた。そして、同年に「AZT」開発について論文発表をしましたが、アメリカでの特許は、実験に協力していたバローズ・ウェルカム社が、彼に無断で取得して同社が高価格で「AZT」を売り出しました。それに怒った満屋氏は、さらに新しいHIV治療薬の研究に励み、世界で2番目と3番目のHIV治療薬をも開発しました。そして、それらの治療薬は適切な価格で販売することを条件に企業に許可しているということです。自分の利益を度外視して、病人の治療のためにすべてをささげる真の研究者の彼に感謝します。彼を良き見本にして皆が見習えるように願っています。
それで、何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。これが律法であり預言者です。マタイ7:12
自分のことだけではなく、他の人のことも顧みなさい。あなたがたの間では、そのような心構えでいなさい。それはキリスト・イエスのうちにも見られるものです。ピリピ2:4~5
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