～ ここで働く人も設備も優しいんだ ～　佐多多視子

通院しているクリニックには、低い壁と柱で区切られたキッズルームがあります。ここは小児科ではありませんのに、わざわざこういうスペースを作ってあって親切だなと思いました。小さな子供を連れていたらおしめを替えたり授乳をしたりする部屋が欲しいです。

　また、ずっと抱っこしていても生後８カ月ともなると床に降りたがりますし、１歳を過ぎると後ろに反り返って抱っこされていたくないと暴れたりします。主人と「広くなくてもこれだけあると良いね。」と話しました。大統領も総理大臣もみんな赤ちゃんだったんです。その小さな部屋が『小さい子供のいる方でも、いつでもどうぞ』と言っている気がしました。

　また、ここのＴ看護師さんには感動させられました。患者さんの名前を呼んでいるのを見た時、ニコニコしていて、きっとこの患者さんとお友達なんだわと思いました、そして、次の人の名前を呼んでいるのを見た時も、この患者さんは何度もクリニックに来ている常連さんなんだわと思いました。

　その次の人にも、またその次の人にもそう対応していました。そして、私は初診なのにやっぱり同じように、ニコニコして名前を呼ばれました。それで、この方はこういう人なんだとその時分かりました。『心配しなくて良いですよ。一緒に治療していきましょうね』とその笑顔は言っていました。このクリニックは、待ち時間も長くはなく、よく工夫されていました。

　このクリニックの院長先生はどんな方なんだろうかと思っていましたら、これも珍しいことですが、受付の横の壁に院長先生の写真と経歴や理念が張り出してありました。

　【私は大学卒業後、理想の医師像の定まらぬ中、ただがむしゃらに働いておりました。そしてＤｒ.コト-診療所（下甑村立手打診療所）に赴任した時に、私の理想の医師像が確定いたしました。所長の先生の地域の皆様との交流や、島でありながら高度な医療機器（だからここのクリニックでは初診のその日にＣＴ検査やＭＲＩ検査ができるようになっているのですね）を備え大きな手術をこなされている姿を見て、「島のみんなを守っている。」と感じました。私も「地域の皆さんを守る。」という事を理念と掲げ、日々努力していき理想の医師像に近づきたいと思っております。「まごころ」をもって「皆さんを守る」ように、このクリニックを運営して行きたいです。】

こういう志をお持ちの院長先生なんだわ。だから、ここで働く人も設備も優しいんだと思わされました。

新しい年になって受付の方々に「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。・・・でも、病院で今年もよろしくお願いしますじゃおかしいですよね」と言って皆で笑いました。普段病院に行くのはおっくうですが、私はこの病院に来るのがちっとも苦ではありません。

彼らの間には、この中でだれが一番偉いだろうかという論議も起こった。すると、イエスは彼らに言われた。・・・「あなたがたの中でいちばん偉い人はいちばん若い者のように、指導する人は仕える者のようになるべきである。」ルカ２２：２４、２６

すると、王は彼らに答えて言います。『まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。』マタイ２５：４０；