行き付けの床屋さん

公開済み 7月 2, 2023 by 管理人 in アドナイ・エレ

~暖かい対応を感謝します~

私たち夫婦は、家から車で30分ほどの所にある美容院と床屋に通っています。私たちがこの地の美容院や床屋に通い始めたのは約40年前のことです。そして私が行く床屋は、ろうあ者のご夫妻が営んでおられる小さな床屋さんです。

私が勤めていた会社を辞めて、開拓伝道(教会をスタートした)を始めたのがこの地でした。大した収入はなく、私たち家族は貧しい生活を余儀なくされました。そして、その時からお世話になっているのがこの床屋さんです。

床屋に入ると、毎回「髪を短く、短くして」とジェスチャーでお願いしました。そして、短く散髪していただいて、3カ月ほどして、髪がボウボウに伸びてから、また床屋を訪ねて「短く、短く」とお願いすることが続きました。若かったので、髪が伸びるのが早く、それ以上は間隔を開けられませんでした。

当時の私の願いは、経済的に少し余裕が出来たら、月に1度のペースでこの床屋に来られるようになりたいということでした。それから、年月が経ち幾分経済的な余裕はでき、毎月行けるようになった頃には、今度は私が年をとり毎月行くほど髪の毛が伸びなくなっていました。それで、それからは2カ月に1回程度の割合で通うようになりました。

以前は行く度に「短く、短くして」と言っていたのが、ある時「短くではなく、普通で」とお願いしました。すると、「ふつう??」とジェスチャーで問い直されました。つまり、私の普通とは、どの程度かと聞かれたのです。そこで、私もはたと困りました。そこで、「適当でいいです」とお願いしました。

さて、先日も妻を美容院に送ってから、例の床屋に向かいました。この床屋さんはとても丁寧で、鼻毛切りや耳掃除、そしてマッサージまでしてくれます。髭剃りも昔ながらのカミソリで時間をかけて綺麗に剃り上げて下さいますが、実は今市販されている5枚刃のカミソリだと、短時間でもっと綺麗に剃れてしまうのです。でも、床屋さんのプライドにかけてそんなものは使わないのかもしれないので、5枚刃のことは言っていません。

さて、先日伺った時も、お客さんは誰もおられませんでした。ご主人は私が入店したのにも気づかずにいて、私がすぐ横に行くとびっくりして、「どうぞ、どうぞ」と椅子に座るように勧めてくれました。椅子に座るとこの頃は、ご主人の方から「ふつうで?」とジェスチャーで聞いてくれます。そこで、「はい、お願いします。」というと、散髪を始められるのですが、今回も一つ一つ丁寧に時間をかけてやってくださいました。

そして、洗髪が終わると髪を乾かして下さり、それから整髪する前に、いつもの通り全身のマッサージが始まります。頭や肩から始めて全身をほぐしながら腰まで揉んでくださいます。腰の方になると私は椅子に座ったままなので、椅子の後ろから両手を回して揉んでくださるので、かなり大変そうです。その後、両腕を掌まで揉んでくださるのですが、今回は両手の指の一本一本まで揉んで解してくれました。

そして一通り、マッサージが終わると整髪料をつけて髪の毛を整えてくれました。最後に、ブラシで洋服についた髪の毛を落とす仕草をして下さるのですが、実はずっとビニールエプロンをかけたままなので、これは終りましたの合図のようなものです。

料金を渡すと、ご主人が時計を指差し「遅くなってすみません」という仕草をするので、私はぐるぐる肩を回して「いえ、いえ、お陰で身体が解れてとっても気持ちよくなりました。」とジェスチャーで答え、店を後にしました。私だけでなく床屋さんも年をとられましたが、健康に気を付けてまだまだ頑張って続けていただきたいと思っています。

善を行うのに飽いてはいけません。失望せずにいれば、時期が来て、刈り取ることになります。ガラテヤ6:9

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