アンパンマンに倣う
~“世界最弱”のヒーロー~
「アンパンマン」の作者、やなせたかしさんが10月13日、心不全のため亡くなられました。94歳でした。私達と同居している母と同じ年ですが、90歳を超えてもまだ創作活動を続けておられたということを聞いて、その元気さと意欲に感心させられました。
アンパンマンは多くの子供たちに愛され、親しまれてきた素晴らしい漫画アニメでした。
私の子供たちも小さい頃は皆好んでアンパンマンのテレビ番組を見ていました。
やなせさんは「アンパンマンは“世界最弱”のヒーロー。ちょっと汚れたり、雨にぬれただけでも、ジャムおじさんに助けを求める。でも、いざというときには、自分の顔をちぎって食べてもらう。そして戦います。それは私たちも同じ。みんな弱いけれど、そうせずにはいられないときもあるのです。」と仰っておられます。
やなせさんは戦時中、戦地で食べ物がなくて、生えている草を食べたりされたそうですが、それらの経験から人間の根底にあるものは食欲であることを痛感されました。それゆえ、飢えの中にある人に食べ物を分け与えることが愛であり、正義だと言われるのです。
やなせさんは次のように書き残しておられます。
“正義のための戦いなんてどこにもないのだ。正義は或る日突然逆転する。正義は信じがたい”
“逆転しない正義とは献身と愛だ。それも決して大げさなことではなく、眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、その人に一片のパンを与えること”
“困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです”
やなせさんの目指したもの、アンパンマンを通して表現したかったものは、スーパーマン的な特別な力や才能を有して、相手を徹底的に打ち破っていくヒーローではなくて、決して強くないけれども、困っている人のために自分を犠牲にして助けていく献身的な愛の実践者だったのだと思います。
やなせさんから伝えられたこのような愛と献身の精神を持って、私はこれから歩み続けたいと思います。また、同じ思いを有する人々と共に助けあい、支えあう愛の社会の構築のために励んでまいりたいと思います。
さて、先日サンエールかごしまで行われた世界食料デー鹿児島大会は多くの協力者のご支援とご協力を得て祝福の内に終えることが出来ました。心から感謝申し上げます。皆様の愛による温かい募金を飢餓に苦しむ世界の人々へ送らせていただきたいと思います。
世界の飢餓に苦しむ人々が飢えと苦しみから解放されるために、皆様の温かい愛による募金が、豊かに活用され、彼らの喜びの笑顔につながることを確信します。
皆様の愛の行為こそが、アンパンマンを通してやなせさんの目指した助け合う愛の社会の実現につながるものと思います。
キリストは、私たちのために、ご自分のいのちをお捨てになりました。それによって私たちに愛がわかったのです。ですから私たちは、兄弟のために、いのちを捨てるべきです。世の富を持ちながら、兄弟が困っているのを見ても、あわれみの心を閉ざすような者に、どうして神の愛がとどまっているでしょう。子どもたちよ。私たちは、ことばや口先だけで愛することをせず、行いと真実をもって愛そうではありませんか。Ⅰヨハネ3:16~18
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