ある朝の登校時の出来事
~私に向かって、「社長さん、社長さん」何言ってるの?~
連日暑い日が続き、朝の子供たちの見回り時の制服の衣替えのチャンスを窺っていましたが、なかなか踏み切れないでいました。しかし、11月に入り2~4日の連休の間に夏物の制服を洗濯し、冬の制服に変えることにしました。
夏の制服は水色の上下に水色の帽子なので、子供たちから「ドラえもん」と呼ばれていましたが、冬の物は紺の制服制帽なので、もう「ドラえもん」でなくなります。
連休明け、朝7時前に教会前の交差点に旗を持って出ると、先週までとは違いかなり寒いです。風邪気味でもあったので妻の勧めで使い捨てカイロまで持って出ましたが、街頭に立ってるとかなり冷えるので、持ってて良かったと思いました。
さて、7時過ぎ1番目の子供たち、3年と1年の男の兄弟がやってきました。大体いつもこの二人が最初です。弟の方が紙袋を開いて、「テントウムシがいるよ」と言って見せてくれましたが、見当たりません。しかし、彼が指さす方向を見ると、小さな小さな黒いものが動いています。「これテントウムシ?」と聞くと、突然パット羽を広げて飛ぼうとしましたが、まだ小さくて飛べません。それはまさしく小さな小さな生まれたてのテントウムシでした。
そのあと1年生の女の子が半袖制服姿で登校してきました。私が「半袖で寒くないの?」と聞くと「ぜんぜん」と答えました。確かに次に来る6年の女の子も半袖です。子供って元気だなぁと思いながら、彼女にも「半袖で寒くないの?」と聞きました。すると「失敗したぁ~、こんな寒くなると思わなかった。」と言いながら通って行きました。
それから、どんどん子供たちが登校してきました。全員の名前を呼んで「おはよう」と声をかけてハイタッチします。皆元気に登校して行きます。
しばらくして、近所の4年生の男子が話しかけてきました。「今日、お母さんに起こされたら7時半だった。それから急いでご飯を食べて出てきたんだ。」と、それで私が「昨日、何時に寝たの?」と聞くと「1時半」との答え、「それは駄目だよ。早く寝ないと」と言いました。
その内、いつも3人組の2年生の女の子たちがやってきました。いつも何らかのちょっかいを出してくる子たちです。3人のうち一人は、以前私が夏の制服にオレンジのシャツを着ていたら「おじちゃん。ブルーとオレンジは合わないヨ。」と教えてくれた子です。
3人は信号を待ちながら向こう側から、私にそれぞれが「社長さん」「社長さん」と呼んでいます。彼女たち、何言ってるんだろうと思いながら、夜お酒を提供するお店の女の人が太ったお客さんには「社長さん、社長さん」、痩せたお客さんには「先生、先生」と呼ぶようなことを昔聞いたことがあるけれど、あの子たちがそんなこと知ってるはずがないしと思いながら、信号が変わってこちらに来るのを待ちました。
そして、こちらに渡ってきたら私に向かって口々に「しゃちょうさん。もっと安くして~」と言いながら、笑っています。それで、ピンと来て「ああ、あのコマーシャルの真似してるの?」と聞くと「そう」との返事。
そのコマーシャルとは、テレビショッピングで男の方が「通常これこれの物を、これだけの値段で提供いたします」と呼びかけます。すると、隣にいる女の人は「しゃちょう。もっと安くして~」と言うお決まりのやり取りをするテレビのコマーシャルです。
子供たちは、なんでも真似をします。これらの子供たちが町の宝、国の宝、これからも素直に育って欲しいと思います。
しかしイエスは、幼子たちを呼び寄せて、こう言われた。「子どもたちをわたしのところに来させなさい。止めてはいけません。神の国は、このような者たちのものです。まことに、あなたがたに告げます。子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決してそこに、入ることはできません。」ルカ18:16~17
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